國村隼「チャーミングな大人になります。見守って」 田辺聖子さんお別れ会
6月に亡くなった作家の田辺聖子さん(享年91)のお別れの会が3日、兵庫県伊丹市内で開かれた。著書や生前の写真が飾られた会場には、俳優・國村隼(63)、井戸敏三兵庫県知事(73)ら150人が出席。ファンら332人も献花に訪れた。田辺さんの半生がモデルとなった2006年NHK連続テレビ小説「芋たこなんきん」で夫役を演じた國村は、田辺さんが夫の故・川野純夫さんを評した「チャーミングな大人」を目指すと誓い、「見守って下さい」と言葉を送った。
本を開いたイメージを花で表現した祭壇から田辺さんがほほ笑む中、國村がお別れの言葉を送った。
「いろんな人の人生を生きることを仕事にしていて、大体、1つ終わると(役柄が)抜けてしまうが、『カモカのおっちゃん』(川野さん)は、いつもの仕事だけでは収まりきれませんでした」と当時を回想した。
「先生は『カモカのおっちゃん』を評して『チャーミングな大人や』と表現された。いつの日か、ユーモアがあって、ウイットに富んで、人に優しくできる『チャーミングな大人』になりたい。まだそちらへ行けそうもないので、見守って下さい」と呼びかけた。
弔辞は田辺さんの友人で作家の瀬戸内寂聴氏(97)が高齢のため欠席し、元宝塚歌劇団星組トップスターの瀬戸内美八が代読した。「めっきり弱りました。お別れの会にさえ出られません。早うそちらに行ってあなたや(カモカの)おっちゃんに会いたいです」と寂しい胸中を吐露した。
大阪出身で晩年は伊丹で過ごした田辺さん。関西を離れない理由を聞いたという親族は「『おいしいもんがぎょうさんあるから』と話していた」と明かした。戦後日本を代表する女性作家ながら、飾らない人柄だった。明るく送り出すため、この日の会は「ありがとう お聖さん!」の副題がつけられた。
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