宝塚星組・愛月ひかる「男役に完成はない」本拠地サヨナラショーで『うたかたの恋』
12月に退団する宝塚歌劇星組人気スターの愛月ひかるが1日、兵庫・宝塚大劇場で「柳生忍法帖/モアー・ダンディズム!」の千秋楽を迎え、本拠地に別れを告げた。
トップの礼真琴を最も近くで支えてきた愛月は、サヨナラショーを上演。黒燕尾で登場すると、初舞台の「シークレット・ハンター」や、新人公演で初主演した「誰がために鐘は鳴る」、バウ主演作「マノン」など思い出の曲を歌い踊った。さらにずっと希望し続けた念願の演目「うたかたの恋」をルドルフ皇太子の白い軍服姿で、マリー役のトップ娘役・舞空瞳とセリフ付でデュエットし、最後に夢を叶えた。
緑の袴で大階段を降りてくると、礼真琴と、同期生で古巣の宙組スター芹香斗亜から花束を受け取った愛月。「宝塚が私の全てでした。『宝塚が好き』という気持ちと、『宝塚の男役を極めたい』という思いでここまでやってきました」とあいさつ。「男役に完成はありません。東京公演の千秋楽まで、自分の男役像を作り上げていきたい」と最後までの全力疾走を誓った。
礼も「濃い時間を過ごしてきて、悲しくないわけがありません」と振り返った。「でもサヨナラショーの短い間でも『男役とは』というのを、学ばせていただけたのは幸せ。東京の千秋楽まで、少しでも多くのことを吸収したい」と退団する先輩に賛辞を送った。
東京宝塚劇場11月20日~12月26日。