古舘伊知郎 猪木さんは「宿命的に最後まで闘い続けた人」逝去4日前の闘病明かす
元プロレスラーで参院議員も務めたアントニオ猪木さん(本名・猪木寛至)が1日午前7時40分、心不全のため都内にある自宅で死去した。79歳。故人の遺志により、通夜および葬儀は家族葬で行い、後日に「お別れの会」を行う予定。
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テレビ朝日系「ワールドプロレスリング」を独特の名調子で実況し、猪木さんらと共にプロレスブームを作り上げたフリーアナウンサーの古舘伊知郎(67)は1日、NHK総合「サタデーウォッチ9」に出演し、猪木さんを悼んだ。
プライベートでも親交があった古舘が最後に猪木さんと会ったのは9月27日。ボソボソとしゃべる車イスの猪木さんに顔を近づけて聞くと「苦しい、苦しいんだ。早く逝きたい」と話したといい、古舘は「本当に宿命的に、最後まで闘い続けた人」と振り返った。
猪木さんの人柄を「自分のファンにものすごくサービスして細やかな気遣いをされる方」、力量を「自分が強いだけじゃない。相手を十二分に引き上げちゃう。猪木が天才なのは、どんな相手でも名勝負を作ってしまう」と称賛。猪木さんを「象徴的に言えば昭和」とし、「敗者復活的なはい上がり方も含めて、ものすごく多くの人たちの心を打ったと思います」と語った。
古舘は豊富な知識とボキャブラリーで「われわれにとっての神、すなわち猪木」といった数々の名実況を残し、勇退後に実況した猪木さんの引退試合では「われわれは猪木から卒業しなければならない」と述べていた。