AKB大合唱 届け!被災地に元気
東日本大震災から3年となった11日、アイドルグループ・AKB48が岩手・宮城・福島3県を訪れ、ミニライブを行った。卒業を控える大島優子(25)は、仙台出身でグループ唯一の被災メンバーである岩田華怜(15)らと宮城県石巻市を訪問した。国内48グループの本拠地4劇場でも特別公演を実施。7カ所を中継でつなぎ、復興応援ソング「掌(てのひら)が語ること」の大合唱を被災地に響かせた。
AKBにとって2年連続となった「3・11」慰問では、国内4グループの選抜メンバーが宮城県石巻市、岩手県宮古市、福島県南相馬市を訪れた。震災発生時刻の午後2時46分には、移動中だったバスを降りて黙とうをささげた。
石巻会場に集まった被災者900人が「ヘビーローテーション」などに合わせてペンライトを振る姿に、大島は「たくさん笑顔が見られてうれしかった。卒業してからも何らかの形で被災地に来たい。1人でも」と宣言。「AKBの楽曲は皆さんを元気づけられる手段のひとつ。(卒業後は)それを持って行けないので悩むんですが、どうにかしたい」と、単身での新たな支援の形を模索した。
小学6年生の時に仙台市内の自宅で被災した岩田は「皆さんの家や思い出がつまっていたがれきが片付くのが町の復興につながっても、心の復興はどうなのかなと複雑ではあります」と、傷ついた故郷を思いやった。
石巻市は人口の1割に当たる1万5000人が今も仮設住宅暮らし。津波で自宅が流された同市の大場愛未さん(14)は「すごく楽しくて元気をもらえました。また来てほしい」と感謝した。
AKBは震災2カ月後の2011年5月から毎月1回被災地を訪れ、この日が35回目となった。劇場の募金箱や「掌が‐」のドネーション(任意の募金)などで、義援金も集めてきた。3年たってもまだまだ道半ばの復興。少女たちは、これからも被災地に寄り添い続ける。