「007」の鉄板の歯を持つ悪役74歳で死去
リチャード・キール(74)が亡くなった。鉄板の歯を持つ悪役ジョーズとして「007」シリーズの2作品『007/私を愛したスパイ』(1977)、『007/ムーンレイカー』(1979)に出演していたリチャードが10日(水)、75歳の誕生日の3日前にしてカルフォルニア州フレズノのセント・アグネス医療センターで息を引き取ったという。同医療センターの広報担当はリチャードのニュースを認めているものの、死因についてはまだ明らかにしていない。
7フィート2インチ(約2メートル18センチ)もの長身を誇ったリチャードは、イアン・フレミング著作を原作とした映画シリーズの中でロジャー・ムーア演じるジェームズ・ボンドの敵として活躍し、7日(日)にはBBCラジオ4の『ザ・リユニオン』に、同作で共演したロジャーとブリット・エクランドと共に出演していた。このラジオ番組の中でリチャードは鉄板の歯を使って敵を倒したこの悪役について、視聴者たちにとって「度を超えている」のではないかと心配していたことを明かしている。「脚本に書かれた役どころには本当にやる気が失せて俺はこう思ったんだよ。彼らは俳優が必要なんじゃない、この役は人間というよりモンスターじゃないかってね」「だからこのキャラクターの見え方を変えることにチャレンジしたんだ...俺がもしこの役を演じるなら、忍耐力だったり落胆だったり、もっと人間性を持たせたいって言ったんだよ」
これにより『007/私を愛したスパイ』のエンディングで殺される予定だったジョーズは、映画ファン達の間で人気となり、脚本家たちはジョーズを再度登場させる脚本に書き換えざるを得なくなったとリチャードは説明していた。「オリジナルの脚本でジョーズはサメに殺されてしまうはずだったんだ」「製作陣はサメに殺されてしまうエンディングとは別に、ジョーズが海から脱出して生き延びるエンディングも撮影したんだよ」「『007/私を愛したスパイ』のテスト試写会で、ジョーズが海から脱出し生き残るシーンを見たときの観客の反応は俺にとって衝撃の瞬間の一つだったよ。称賛の叫びと拍手喝采が起きたんだ。本当に信じられなかったよ」
リチャードは生前、妻ダイアンとの間に4人の子ども、そして9人の孫をもうけている。
(BANG Media International)