「アイドル」「アーティスト」「ママドル」「良妻賢母」そんなものを超越した「松田聖子」という１つのジャンルになったのだ

　外れれば怒られるけど、破ってしまえばホメられる、それが「常識」というもの。我々凡人が理解できるのは、あくまでその「常識」の範囲でしかなく、元々そこに収まり切らない、存在するだけで「常識」とかけ離れている状態の松田聖子のことをどうこう言っても仕方ないのだ。初めて聖子を見た小学生の頃には気づかなかったが、大人になるにつれて段々そう思い始めている。
　むしろ、娘の結婚を普通に祝う聖子なんて聖子じゃない、という期待すらしている。そしてその期待に応えてくれている聖子。我々はこの松田聖子という１つのジャンルを理解しようとせず、ただ傍から眺めていさえすればいいのだ。