月亭可朝さん、破天荒な生き様…「ストーカー事件」さえも芸の肥やしに

「嘆きのボイン」で知られた落語家の月亭可朝さんが死去。思い起こされるのはストーカー行為で逮捕された事件。世間を大いに騒がせましたが、その顛末は可朝さんの破天荒な生きざまを示すものとなりました。

公開日:2018.4.9

【2008年8月29日デイリースポーツ紙面より】
 以前交際していた女性に対するストーカー事件を起こした落語家の月亭可朝(70)が28日、大阪市内で“釈明会見”を開いた。(中略)
 可朝は、21日の釈放後静養に努めていたとあって、至って元気な様子。まず「ええ年して、嫁はん以外の人を好きになってしまったんですわ」と明るい口調で話した。
 そこから、事件の全容を説明。可朝によれば、女性とは7年前、女性がウエートレスをしていた飲食店で知り合い、交際を始めた。ところが、女性から7月ごろ別れ話を切り出され、「女性が別の男性と交際を始めたので嫉妬(しっと)してしまった」という。女性が勤務先の同僚男性と食事に行くと、女性のマンション前で行動を監視。女性が朝帰りしたことを責めて言い争いになり、行為をエスカレートさせたことも明かした。
 女性の勤務先に男性を訪ねたことや、1日最高13回もの電話をかけたこと、手紙などで卑わいな言葉を送りつけたことなど、容疑はすべて認め「今はストーカーだという認識はあります」。被害女性に対しては「今までお付き合いいただいて、ありがたいこと。傷つけたことは『ごめんなさい』ですね」と謝罪の意を示した。
 ただ、話し方や表情に、後悔や反省の色は見えず。自身の大ヒット曲「嘆きのボイン」の節に乗せ「可朝は7年間不倫してきて、その結果警察に御用やで~。7年間、嫁はんを裏切ったお仕置きやおまへんか~」と心境を語るなど、まるで独演会だった。

2008年10月26日デイリースポーツ紙面

【2008年10月26日デイリースポーツ紙面より】
 不倫相手に対するストーカー事件を起こし、8月に逮捕された落語家の月亭可朝(70)が、TBS・MBS系バラエティー「キミハ・ブレイク 失敗者のタメになる話」(11月4日、後7・56)で仕事復帰することになり、25日、都内で会見した。
(中略)
 復帰までの“謹慎期間”。さぞかし反省していたのかと思えば、可朝は「ギャンブルやったり温泉に行ったり、楽しませていただきました。菊花賞?中穴が来ますね」とあっけらかん。8月に釈明会見を行ったが、確かに謹慎とはほど遠い生活を送っていた。
(中略)
 謝罪会見で「嘆きのボイン」の節に乗せて、自らの事件を振り返った可朝だが、この日は「前回(歌って)『不謹慎だ』と、たたかれましたので」とさすがに“自粛”。それでも、最後に「おおきにぃ~!」とバンザイポーズで退場するなど、どこまで反省している?

2009年1月17日デイリースポーツ紙面

晩年、デイリーに語った事件、女性関係…

2017年10月16日デイリースポーツ紙面

 “最後の破天荒芸人”とも称される落語家の月亭可朝(79)は2008年、大阪府警にストーカー規制法違反で逮捕された。可朝はこれまでこの件について多くを語ってこなかったが、女性との関係について詳細に話した。

月亭可朝 ストーカー事件を振り返る(上)女性とは不倫関係だった

 -お聞きしくいですが2008年に大阪府警にストーカー規制法で逮捕されました。
 そうそう。昔もそんなことがあって。女子大生の歌手が妊娠した言うて裁判を4年やったんや。全面勝訴やった。負けたほうが裁判費用を払わなあかんかった。4年やったから年に100万としても400万。それを全部、おれが払てやったんや。
 -08年の女性とはどのような付き合いで。
 相手の女性には婿はんがおって、わしとは不倫やったんや。

月亭可朝 ストーカー事件を振り返る(上)女性とは不倫関係だった

 -「嘆きのボイン」がヒットした頃、可朝師匠は30歳くらい。多額の印税も入ってさぞモテたのでは。著書「真面目ちゃうちゃう可朝の話」は60歳ごろの執筆で、親密な関係になった女性の数が100人と書かれている。
 数なんか自慢にならんけどな。寝つきにくいとき、羊が1匹、2匹って数えるやろ。僕は眠られへんときは自分がいった女を北から思い出すねん。北海道から。女1匹、女2匹や。70くらいで寝てまう。昔、遊郭あったやろ。そんなんは抜きや。北から数えて九州に行くまでに寝てまう。横山ノックは1000人いったと言うてたけど遊郭も入れとる。

月亭可朝 昭和の芸能界を赤裸々告白(下)…舞台の合間は暇でついつい女性と仲良く

 「ストーカー事件で逮捕」という過去までも芸の肥やしにしてしまった可朝さん。その生き様は、まさに“最後の破天荒芸人”と呼ばれるにふさわしいものでした。

 どうか、安らかに。

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