【クイーンS】ユアーズ、快勝

 「クイーンS・G3」(29日、札幌)

 北都から2冠牝馬へ再挑戦状‐。1番人気の3歳馬アイムユアーズが、好位追走から直線で力強く抜け出して快勝。古馬勢を撃破し、3つ目の重賞タイトルを手にした。池添謙一騎手は、昨年のアヴェンチュラに続いてレース連覇を達成。ラスト1冠の秋華賞(10月14日・京都)獲りへ、堂々と名乗りを挙げた。外から猛追した10番人気のラブフールが2着。3歳馬のミッドサマーフェアが3着に入った。

 北都のすがすがしい風をパワーに変えて、秋の飛躍を誓うアイムユアーズがV発進。好位の外めを追走し、直線入り口では早々と先頭へ。成長力をまざまざと見せつけて、古馬勢をねじ伏せた。

 レース後の検量室前。引き揚げてきた池添は、両手を広げてガッツポーズ。「強かった。初めて乗せてもらったが、乗りやすい。馬の後ろでしっかりと我慢できた。あとは仕掛けどころだけ。若干早いかなと思ったが、しのいでくれた。やはり力がある」。駆けつけた家族が見守るなか、1番人気の重責を果たして安どの表情を浮かべた。

 テン乗りだったが、追い切りに騎乗して好感触をつかんでいた。「いい状態だと感じた。秋には大一番へ向かっていく馬。結果だけではなく内容も求められていると思った」。春のクラシックを沸かせた実力を信頼。斤量差を味方に、強気のリードでVへと導いた。

 秋へ向けての始動戦はプラス24キロの馬体で臨んだ。手塚師は「若干余裕はあったが、成長分。何より勝ちにいって勝ち切ったのは大きい。想像以上に成長している」と満足げ。現時点では秋華賞の鞍上は未定だが「うまく乗ってくれた。きょうの競馬なら言うことはない」と、池添とのコンビ続行を熱望した。

 今後は北海道安平町のノーザンファームに放牧へ。トライアルはパスして、ぶっつけで本番に直行する。「休み明けの方が走る。3戦3勝だからね。すぐに仕上がるし、秋口に戻して美浦から行きます。もう栗東に入らなくても大丈夫」。心身ともに成長した姿で、関西圏へ乗り込む構えだ。

 次はいよいよ牝馬2冠のジェンティルドンナへのリベンジだ。桜花賞3着、オークスは4着。「完敗、完敗だから。挑戦状を“差し上げる”ぐらいまでには来たかな」。ニヤリと笑った指揮官の瞳には、はっきりと“逆転”の2文字が映っていた。

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