片岡仁左衛門が史上初の親子三代の忠臣蔵、京都の顔見世興行
京都の年末の風物詩となっている、「京都四條南座」(京都市東山区)の『吉例顔見世興行』。今年の出演者のひとり、上方歌舞伎の重鎮・十五代目片岡仁左衛門が、大阪市内で会見をおこなった。
1951年から、通算で58回目の出演となる今年。仁左衛門は、『仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場』(昼の部)と『堀川波の鼓』(夜の部)で主役をつとめる。
『一力茶屋』(通称七段目)は、歌舞伎三大名作のひとつ『仮名手本忠臣蔵』のなかでも見ごたえがあり人気の段。今回は主役・由良之助を仁左衛門、お軽を仁左衛門の息子の孝太郎、力弥を孫の千之助と、親子三代が主要人物をつとめることでも注目されている。
「七段目で、三代そろってこの役を演じるのは、おそらく歌舞伎史上初のことなので楽しみ。七段目の由良之助は演技力ではなく、匂いとか雰囲気など身体から出ていくものがモノを言うので、非常に難しい役です」と、気を引き締る。
『堀川波の鼓』は、仁左衛門のリクエストで上演が実現。妻に不貞を犯された武士・彦九郎とその周辺の人々が、それぞれの苦悩に直面する姿がドラマティックに描かれる。
「人物やストーリーが現代劇的だし、武士の建前とひとりの男としての気持ちで揺れる彦九郎という人物に大変興味があります。ある意味非常に嫌なお芝居ですが、とてもキレイなお芝居です」と、その魅力を熱く語った。
『當る子歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎』は、11月30日~12月26日に上演。チケットは1等25000円、2等A12000円、2等B10000円、3等8000円、4等6000円、特別席27000円。チケットは、11月6日に発売される。
取材・文・写真/吉永美和子
(Lmaga.jp)
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