大阪で16年ぶりの「安藤忠雄」展がスタート、代表作を映像と水で原寸再現
JR大阪駅前「グラングリーン大阪」の施設内「VS.(ヴイエス)」にて、建築家・安藤忠雄氏の展覧会『安藤忠雄展 青春』が3月20日からスタートした。大阪での大規模展は16年ぶり。原寸で再現した「水の教会」などインスタレーション空間が見所となっている。
?? 安藤忠雄監修「VS.」で「青春」を表現同展のテーマは「青春」。80歳を超えた今もなお、第一線で活躍し続ける安藤氏の原動力を「挑戦精神」とし、これまでの挑戦の軌跡から、現在、そして未来のビジョンまでを集約した。2017年に東京・六本木で開催された「安藤忠雄展 挑戦」からスケールアップした本展は、安藤氏の「永遠の青春」を体感することができる。
会場は、安藤忠雄建築事務所がデザイン監修した「グラングリーン大阪」の施設内「VS.(ヴイエス)」。建物地下に広がる展示エリアは大きく2つに分けられ、スケッチや模型、ドローイングなどが展示されている。
注目は、各エリアにあるスタジオを丸々1室使ったインスタレーション空間。「挑戦の軌跡」エリアでは、安藤氏の初期代表作で北海道・トマムにある「水の教会」を原寸で再現している。
北海道の雄大な自然を背景に、水上に十字架が浮かぶ情景をパノラマ映像で流し、さらに実際に水を使った水盤を設置することでリアルさが増す。大阪にいながら、その場を訪れたような感覚に。
また「安藤忠雄の現在」エリアでは、天井高約15mの巨大モニターに安藤氏の3作品が登場する映像作品も必見。神々しさを感じる「光の教会」(大阪府茨城市)や、ラベンダー×大仏の頭という異色の組み合わせの「真駒内滝野霊園頭大仏」(北海道札幌市)、2021年に開館したフランス・パリの現代美術館「ブルス・デ・コメルス」が8Kの映像美と音楽とともに映し出される。
3月19日に開催されたお披露目会では、安藤氏も登壇。来場者へのメッセージを問われた安藤氏は、自身の作品を引き合いに出しながら「こんなことやるやつがおるのかと(楽しんでもらえたら)」とコメントした。
?? 青春のシンボル「青リンゴ」もお目見え大阪で生まれ、大学や専門学校には行かず独学で建築を学んできた安藤氏。これまでに国内外問わず多くの建築物を手掛け、今や世界的な建築家に。
近年では、子どものために図書館を自ら設計し寄贈する「こども本の森」プロジェクトにも取り組んできた。青リンゴは安藤氏にとって青春のアイコンとされ、各施設には青リンゴのオブジェが設置されている。会期中は、地上の芝生広場上に直径2.5mの青リンゴが登場。「青春」の詩とともに台座に刻まれた安藤氏のメッセージにも注目だ。
期間は3月20日~7月21日、朝10時~夜6時(金・土・祝前日は夜8時まで)。月曜日は休館(祝日は除く)。チケットは日時指定での販売、一般1800円ほか。
取材・文・写真/佐々木早貴
(Lmaga.jp)
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