メイウェザー49連勝 そして引退表明
「ボクシング・WBA・WBC世界ウエルター級タイトルマッチ」(12日、ラスベガス)
世界ウエルター級タイトルマッチが12日(日本時間13日)、米ネバダ州ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われ、WBAスーパーおよびWBC世界同級王者のフロイド・メイウェザー(38)=米国=が3-0の判定で、WBA暫定王者のアンドレ・ベルト(32)=米国=に完勝し、デビューからの連勝を「49」に伸ばした。リング上でのインタビューでは試合前から公言していた通り現役引退を表明した。
立ち上がりからジャブを上下に散らして試合を支配するメイウェザー。愚直に前に出てくるベルトに対して、ロープを背負うシーンはあるものの、鉄壁のディフェンスでパンチをまったく当てさせない。余裕を見せつけるかのごとく、後半は挑発的な行動も繰り出し、10回にはレフェリーからラウンド中にしゃべるなとの注意も受けた。圧倒的にペースを握りながらも決して深追いはせず、最終回残り10秒の合図が鳴ると、ガッツポーズを繰り出しながらダンスをするように終了のゴングを聞いた。スコアは117-111、118-110、120-108。
無敗のまま5階級を制し、今年5月の前戦では世界6階級王者のマニー・パッキャオ(フィリピン)に3-0の判定で完勝して現役最強を確かなものとしたメイウェザー。パッキャオ戦では隙のない戦いぶりだけでなく、2億2500万ドル(約270億円)という驚愕のファイトマネーでも話題をさらった。
勝利のリングでマイクを向けられたメイウェザーは「19年間ファンがいなければ、やってこれなかった。感謝している。(9回に左手を痛めた?)多少痛くても構わない。これで終わりだから。正式に終わりです」と引退を表明した。
この試合の前まで48戦全勝(26KO)の戦績だったメイウェザーは今回の勝利で、無敗のまま引退したヘビー級の伝説的選手である故ロッキー・マルシアノ氏の49連勝の大記録に並んだ。早くからこの試合が“ラストファイト”になることを公言しているが、過去に引退を撤回したことがあることや、対戦相手のベルトが最近6戦で3敗しており“最後の相手”としては物足りない点などから疑いの目が向けられている。
また、パッキャオとの再戦を望む声も少なくない。再度リングに立つ可能性を問われた最強王者は「俺はボクシングのひとつとなった。次のメイウェザーが出てきてこの記録を破ってくれればいい。もうすべてを成し遂げた。これ以上することがない」と語った。
敗れたベルトは34戦30勝(23KO)4敗となった。