「ボクシング１０回戦」（２２日、島津アリーナ京都）

　ロンドン五輪ボクシング男子ミドル級金メダリストの村田諒太（２８）＝三迫＝が２２日、京都市の島津アリーナ京都でのノンタイトル１０回戦で、ヘスス・ネリオ（２５）＝メキシコ＝に６回２分３５秒でＫＯ勝ちした。プロ転向４戦目で初の１０回戦に臨んだ村田は６回に右ストレートで仕留め、４連続ＫＯ勝ちを果たした。

　右ストレートが見事に決まった。倒れたネリオは立ち上がれない。４試合連続ＫＯ勝ちで、村田が世界を射程にとらえた。

　序盤から試合を支配した。ワンツー、左ボディー。頭を低く下げ、堅いガードの相手にプレッシャーをかけ続けた。打ち続けた左ボディーも効いた。

　「“ザ・プロ”みたいな相手だったけど、一発のパンチで相手がひるむのが分かった。練習通りのことができたのが一番大きい」と手応えを強調した。

　プロ４戦目の勝利の価値は、本人が一番よく分かっている。村田は「五輪の金メダリストは世界タイトルを取るのが義務だと思っている」と言い切った。

　世界挑戦まで年内２試合、来春１試合というステップを計画している本田帝拳ジム会長は「成長しているね。練習ではもう少しやっている。それが出せるようになればもっといい」と、さらなる成長を促した。

　プロ初の凱旋試合。奈良市出身だが、南京都高（現京都広学館高）に通い、高校５冠を達成した。先輩、後輩ら学校関係者が大勢駆けつけた。

　「倒せてよかった。成長した姿を見せたかった」。村田は２３日、１０年に急逝した恩師・武元前川氏の墓前へ、勝利を報告にいく。