拳四朗8・3初陣!父は元王者寺地永氏

 「ボクシング6回戦」(8月3日、IMPホール)

 ボクシング界期待の“サラブレッド”が世界へ向け、いよいよ発進する。日本ミドル級&OPBF東洋太平洋ライトヘビー級の元王者・寺地永(50)の次男・拳四朗(22)=京都・BMB=が8月3日、松下IMPホールでデビュー戦。相手はOPBF東洋太平洋ミニマム級12位のヘリ・アモル(インドネシア)で元2階級王者・井岡一翔(25)=井岡=からダウンを奪ったこともある強豪だ。

 「相手はパンチ力はあるし変に倒しに行かず、きれいに勝ちたいですね。左のリードを突いて、チャンスが来れば右ストレートで決めたい。プロはどんなものなのか実際やってみないと分からないけど、リラックスして行きます」。プロ初戦もなんの、昨秋東京国体で優勝するなどアマで実績十分な22歳は自信満々にKO宣言した。

 父で所属のBMBジム会長の永氏が「間合いが抜群」と太鼓判を押すだけの能力がある。22日は大阪の六島ジムに出稽古に訪れ世界戦経験もある日本フライ級10位・向井寛史(28)を相手に6回のスパーリング。1階級上のテクニシャンをめった打ちにした。

 序盤こそ、連打を浴びたが3ラウンド目以降は圧倒。ロープに追い詰めボディーから顔へのコンビネーションと高いセンス。減量苦だった向井の動きの悪さを差し引いても、デビュー前の新人とは思えない完成度だった。

 「けっこう、パンチをもらったし、もう少し取りたかった」と本人は反省しきり。ただ父は「スパーはこれで終わりだけど、だいたい勝っている」と納得顔。デビュー戦が決まってから日本ミニマム級1位・岩橋裕馬(森岡)、同2位・田中恒成(畑中)ら一線級と拳を交えてきたが互角以上に渡り合ったことを強調した。

 ボクシングの強豪・奈良朱雀高時代に頭角を現し、この4年間は関大で活躍。日本最速6戦目でWBC世界ライトフライ級王者輝いた井上尚弥(大橋)には高校時代に2度戦い、2度とも敗れた。

 井上を始め、田中恒成らアマエリートがプロでも席巻。「早く自分も追い付きたい。日本でも東洋でもやる相手は誰でも。早く王者になって差を詰めたい」と意気込んだ。

 3月のプロテスト合格後、父の現役時代の筋肉強化トレーニングを行い、プロ仕様にパワーアップした。父は「思ったより早く体はできた。3戦目で日本王座を取りたい」と早くも照準。「父に世界ベルトを届けたい」と拳四朗。偉大な父を追い、いつの日か、父を超えるのが夢だ。

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