山中竜也が東洋太平洋王座奪取 来年1月にも世界暫定王座決定戦へ
「ボクシング・東洋太平洋4大タイトルマッチ」(11日、神戸市立中央体育館)
東洋太平洋ミニマム級王座決定戦は同級2位・山中竜也(21)=真正=が同級1位で元WBO世界同級王者の強豪メルリト・サビーリョ(32)=フィリピン=を判定3-0(117-111、119-109、118-110)で完勝し、初タイトル戦で初の王座を獲得した。戦績は山中が13勝(3KO)2敗、サビーリョが25勝(12KO)4敗1分け。
すでに王座奪取を条件に、WBO世界同級暫定王座決定戦を来年1月にも行うことが内定。同正規王座を持つ高山勝成(33)=仲里=が目の負傷を考慮され休養王者となったための措置で、21歳にして巡ったビッグチャンスを見事につかんだ。
1回から左右のボディー攻撃をヒットさせ、相手のスタミナを削っていった。あこがれのジム先輩・長谷川穂積(35)をほうふつとさせる多彩な左で試合を支配。長谷川からは「いつも通り、足を使え」と助言を受けた。その言葉通りの華麗なフットワークで最後まで相手を圧倒した。
「中学からトレーナーをしてくれている江藤さん(会長代行)、支えてくれた皆さんを挙げればきりがない。自分らしいボクシングができた」とリング上では笑顔がはじけた。
6人兄弟の長男。小4からは母1人で子供を育てててくれた。ボクサーとしての成功が母への何よりの孝行になる。「母にはありがとうしかない。でも通過点。世界王者になってしっかりとお礼を言いたい。世界を一発で取りたい」。ジムの誰もが認める努力の若武者は、頂点だけを見据えた。