山中、挑戦者対策のカギは足「足を止めすぎないように」 世界戦へ練習を公開
「ボクシング・WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(15日、島津アリーナ京都)
元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高の持つ世界戦防衛13回の日本記録に挑む山中慎介(帝拳)が9日、東京・神楽坂の帝拳ジムで練習を公開した。
挑戦者のルイス・ネリ(メキシコ)陣営も姿を見せる中、フィリピン人選手相手に2ラウンドのスパーリングと、サンドバッグ、シャドー、ロープ、ストレッチなどのメニューを黙々とこなした。対戦相手に視察されたのは14年V7のスリヤン・ソールンビサイ(タイ)戦以来で、スパーリングでは「何を変えるのも難しいので、普段打たないアッパーを多めにしときました」といなした。
7月20日に10ラウンドのスパーリングを行った後、報道陣をシャットアウトした。「1カ月半前から調整してきて、調子が上がらず不安があった。10日くらい前から、なぜか分からないけど腰回りがリラックスしながら動くようになった。足が意識せずに動ける状態にもってこられた。足が動けばいいパンチを打ち込める。ここで上げればいい、というのが体に染みついている。ベストの状態で試合にいける」と、経験という名の体内時計が試合当日に合わせて作動しているのを実感した。
ネリ対策は足がカギを握る。大和心トレーナーが「ネリは回転力、連打力がある。その距離で闘わせたくない。回転させなければ空転するだけ」と言えば、山中も「自分は足ありきのボクサーなので、すべては足。中間距離は相手も得意なので足を止めすぎないようにしたい」と話した。
大記録に挑む「チーム山中」色を前面に押し出し、公式の場では常にワイシャツの浜田剛史帝拳代表もスタッフとおそろいのTシャツ姿。「具志堅さんに並ぶということであれば、やらんとね」と照れ笑いで会見の席に着くなど、陣営は必勝ムード一色だ。