ライガー引退、原作・永井豪さんからも花束「邪心の山田君が消えた」
「プロレス・新日本」(5日、東京ドーム)
獣神サンダー・ライガーの引退試合が行われた。これがラストマッチとなるライガーは、若手時代のライバルだった佐野直喜(54)とタッグを組み、現IWGPジュニア王者の高橋ヒロム(30)、リュウ・リー組と対戦。12分16秒、ヒロムがタイムボムからの体固めでライガーから3カウントを奪った。試合後には“生みの親”である漫画家・永井豪さん(74)からねぎらいの花束を受けた。
1989年4月24日の東京ドームでデビューし、30年ちょっとの現役生活にピリオドを打った。試合後の会見には「獣神ライガー」の原作者である永井さんも訪れ、花束を渡した。「ライガーさん自身の戦いは伝説を具現化してる。いつの試合も興奮して見ていました」とねぎらった。
「ライガーさんとお会いしたのは31年前。新日本プロレスで誰がマスクをかぶってくれるか期待して待っていたんですが、そしたらライガー選手…山田選手ですけど」と禁断の正体をさらっと“暴露”。「(ライガーの)『自分にかぶらせてくれ』という情熱と熱意がすごくうれしくて即、お願いしました。30何年もの長い間活躍してくれたのは本当にうれしい。ライガーらしいイメージがどの試合もあふれていて、プロレスファンみんなが大喜びするようなスタイルを確立してくれた」と感謝の言葉を述べた。
正体を“暴露”されたライガーも「もういいだろ(笑)」と報道陣を笑わせた上で、「山田君は邪心の塊だったので(笑)、それがライガーを名乗っていいのか分からなかったが、永井先生の『マジンガーZ』『デビルマン』をずっと見ていたので、その先生のライガーをできる(のは光栄)と、『やらせてください』って」と、ライガー誕生の経緯を振り返った。
そしてデビューから30年以上、ジュニアヘビー級の象徴として活躍し、原作を超えて“獣神サンダー・ライガー”というキャラクターを確立してきた。
「31年間を終えてホッとしています。肩の荷が下りて良かった。僕はレスラー人生、人に恵まれたと思います。カルガリー時代のミスターヒト、藤原(喜明)さん、(アントニオ)猪木さん、山本小鉄さん、その他先輩方、そして永井先生。そういう人がいたからこそ今の僕がある。バイオアーマーを着ると邪心の山田君が消えた。素直にそう思っています」と、ライガーを生んだ恩人たちに感謝していた。
永井さんからは引退後のマスク着用の許可も得たといい、「これからは多少邪心にまみれたライガーになるかもしれない」と笑わせ、「(今後は)解説席で見て『すげー』とファンに戻って叫んでいたい」と、引退後も“生涯ライガー”を予告した。