日本プロレスの歴史、選手を後世に残していくための中立組織「日本プロレス殿堂会」（殿堂会）の設立発表会見が２０日、都内で開かれた。

　会見には天龍源一郎、藤波辰爾、長州力と、天龍の長女でルネッサンス株式会社社長の嶋田紋奈氏、藤波の長男でプロレスラーのＬＥＯＮＡ、長州の義子で株式会社リキプロ代表取締役の池野慎太郎氏が出席。殿堂会は紋奈氏、ＬＥＯＮＡ、池野氏によって結成された二世会が中心となって設立されたもので、賛同メンバーには故ジャイアント馬場、アントニオ猪木、藤波、長州、天龍、協力団体に新日本プロレス、全日本プロレス、大日本プロレス、ＤＤＴ、ドラゴンゲート、ノア、２ＡＷ、ＷＲＥＳＴＬＥ－１が名を連ねた。

　嶋田氏はプロレス界を「プロと付くスポーツの中でも、唯一協会が存在しない」と話し、「日本プロレス文化の伝承、プロレスの歴史を作ってきた先人の方々の功績をさまざまな形で伝え、敬い、これからの人生をサポートしていくため、引退後のプロレスラーを支援する組織作りを目指す」などと趣旨を説明。具体的にはプロレスラー報酬なるシステムを構築させたといい、「本企画の収益の一部はご登録いただいた選手、管理マネジメントをされている方へ、本組織独自の算出法にて永続的にプロレスラー報酬として分配してまいります。サポートが必要なプロレスラー、引退される方々への補償、事故など、やむを得ない事情でサポートが必要となったプロレスラーやご家族など、多方面への支援、チャリティーも今後の活動の中心として視野に入れています」と話した。

　プロ野球などで殿堂入りと呼ばれる表彰については、「殿堂会という名前が付いているので、もちろんそういったことをしていきたい」と話しつつ、「今はこの趣旨をご理解いただき、ご賛同いただくところから、ゆっくりと始めていきたい」と説明。殿堂と呼ばれる記念館などの設立については「現状やる予定はない」といい、「広くプロレス展というものを開催できれば。それが（殿堂に）値するようにできればいい」との考えを示した。

　また、長州は過去にも似た試みが何度かあったといい、「以前と同じように崩壊していくようだったら、残るのは、お前たち３人がバッシングされるぞ、という心配が先。ただ、誰かがやらないと」とハッパをかけた。