今振り返るRIZIN 引退撤回のミルコが復活星!シウバと対戦決定も…

 RIZINを振り返る4回目は2016年の前半2大会だ。

 まずは、初めて大会名にナンバーが入れられた4月17日の愛知・日本ガイシホールでの「RIZIN・1」。ここでは15年大みそかの大会で総合格闘技転向を発表していた、12年女子レスリング55キロ級全日本王者の村田夏南子が第4試合でデビューした。

 女子レスリング五輪3連覇の吉田沙保里を最も苦しめた女と言われた村田は、ナタリア・デニソヴァ(ロシア)を圧倒。鋭いタックルで何度もテークダウンし、パウンド攻撃も見せるなど終始優位に試合を進めた。粘る相手を仕留めきれなかったが、結果は3-0の大差判定勝ち。ポテンシャルの高さを見せつけた。

 第8試合には世界最高峰の団体UFCで活躍したダロン・クルックシャンク(米国)が登場。元修斗環太平洋ウエルター級王者の佐々木信治にサッカーボールキックをたたき込んで1回4分36秒TKO勝ちを収めた。試合後には、クルックシャンクがリングサイドで観戦していた青木真也に対戦を要求し、青木は「聞いてないよ」と困惑しながらも、榊原信行実行委員長に向かって「1億、2億、出せるの?オレたちはそんな安い金ではやらないから」などと挑発的なアピールを繰り広げる一幕もあった。

 メインイベントの第14試合では、PRIDEのヘビー級戦線で日本人トップレベルの活躍を見せた藤田和之が約2年半ぶりに総合格闘技に復帰。前回大会のヘビー級トーナメントで準優勝した成長株のイリー・プロハースカ(チェコ)を迎撃した。プロハースカの切れ味鋭い打撃をかいくぐってタックルを決めるなど、開始からしばらくはブランクを感じさせない動きを見せたが、最後は右左右のストレート連打を浴びて1回3分18秒KO負け。ここでも、時の流れを痛感させられる結果となった。

 次は9月25日のさいたまスーパーアリーナ大会。ここでは無差別級トーナメントが開幕した。

 第10試合の無差別級トーナメント1回戦では元大相撲大関のバルトと藤田和之が対戦。重量級のエースとして期待されていたバルトは芸能活動が好調で前回大会を欠場するなどコンディションが不安視されたが、巨体を生かし、プレッシャーをかけながら打撃を放って優位に試合を展開。3-0の判定で勝利した。

 敗れた藤田は試合後、「自分の中で区切りが付きました」と涙を流しながら引退を表明。総合格闘技だけでなくプロレスからも引退することを示唆したが、再びリングに帰ってくるのであった。

 続く第11試合も無差別級トーナメント1回戦で、K-1とPRIDEの無差別級グランプリを制したミルコ・クロコップ(クロアチア)が引退を撤回して参戦。相手のミョン・ヒョンマン(韓国)に何もさせず、最後は1回2分20秒に肩固めで仕留める完勝を収めた。試合後には、リングサイドにいた元PRIDEミドル級王者ヴァンダレイ・シウバ(ブラジル)に対戦を要求。トーナメントの2回戦の組み合わせは抽選で決める予定だったが、急きょ高田延彦統括本部長がリングに上がり、2回戦での2人の対戦を決定した。2人は高田統括本部長に「やれんのか?」と問いかけられ、ミルコは「やる」、シウバは「やります」と日本語で答えたのだが…。

 続くセミファイナルの第12試合では、RIZIN参戦2連勝と勢いに乗るシュートボクシングの“ツヨカワクイーン”RENAと42歳にして総合格闘技デビューとなった元女子レスリング世界王者の山本美憂が激突。美憂がレスリングテクニックを生かして2度テークダウンし、馬乗りでパンチを浴びせるがそこからの決め手を欠き、RENAは下から蹴りを放って脱出。最後はRENAがスタンディングからワンツーパンチをたたき込み、たまらずタックルにいった美憂の首を捕らえ、1回4分50秒アームトライアングルチョークで一本勝ちした。

 この勝利でRIZIN女子のエースの座を決定づけたRENA。男子に軸となる選手が不在と言える状況であったRIZINは、ここからRENAに引っ張られるかのように女子が盛り上がりを見せていくのだった。(続く)

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