久田哲也3度目の正直だ 世界王者奪取の国内最年長記録更新へ「最高の試合を」
「ボクシング・WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ」(24日、エディオンアリーナ大阪)
前日計量が23日、大阪市内で行われ、王者の寺地拳四朗は48・6キロ、挑戦者の久田哲也はリミットの48・9キロでともに1回目でパスし、オンラインで報道陣の取材に応じた。久田は2度の試合キャンセルを経た三度目の正直に執念。拳四朗は減量後の恒例だった高級焼き肉から一転、8度目の防衛後のごほうびにハンバーガーチェーン「マクドナルド」を希望した。
因縁に決着をつける時が来た。計量をクリアした久田は「最高の試合をします」と王座奪取に自信を示した。
拳四朗との因縁は深い。17年4月、当時の日本王者・拳四朗への挑戦が決まった。しかし試合10日前、拳四朗の世界挑戦が決まったことで一方的にキャンセルされた。
そして2020年、再び因縁がめぐる。12月19日に拳四朗への挑戦が決定したが、発表直前に王者が同年7月に飲酒トラブルを起こしていたことが発覚。またも試合が流れた。久田は当時、自身のツイッターに「またですか…。ふざけないで下さいね」と怒りを最大限に抑えて書き込んだ。
だが、拳四朗の処分が明け、試合は再び設定された。三度目の正直。ようやく対戦が実現する。緊急事態宣言の発令をめぐり直前まで開催が心配されたが、有観客で決行する。
待たされ続けた挑戦者は36歳5カ月となった。勝てば長谷川穂積氏(デイリースポーツ評論家)が持つ35歳9カ月の世界王座奪取の国内最年長記録を更新する。「僕は何度も泥水をすすってきた。苦しい状況でもあきらめず戦えるのが僕の強み」。集大成の一戦に向かう。