井上尚弥 TKO勝ちも挑戦者の粘りに驚く「タフで根性も感じた」【一問一答】
「ボクシング・WBA・IBF世界バンタム級タイトルマッチ」(14日、両国国技館)
統一王者の井上尚弥(28)=大橋=が挑戦者のIBF同級5位アラン・ディパエン(30)=タイ=に8回2分34秒TKO勝ち。スーパー王座のWBAは6度目、IBFは4度目の防衛を果たした。
試合後の一問一答は以下の通り。
(観客に)
「2年ぶりの日本での試合に、わざわざ足を運んでもらいありがとうございました。戦前の予想、期待をはるかに下回る試合で申し訳ありません。ディパエン選手は非常にタフで向かい合った時に何かを狙っているなと感じた。根性も感じたので、こういう試合展開になってしまったが、また今後期待してください」
-試合中の手応えは。
「この試合に向けて練習したリードジャブの手応えがあったが、やっている最中は、これ、効いているのかというくらい。(相手は)表情に出さず淡々とやってきたので、やっているこっちがメンタルをやられそうだった。俺パンチないのかなと感じてしまうくらいタフだった」
-8回までかかった。
「ここ最近はラウンド数が短く、もっと見せてくれという人もいれば、8ラウンドまでやってこのやろうという人もいる。いろんな意見があるが、2年ぶりの日本のリングで8ラウンドをやれたことはよかった」
-タフな相手をどう倒そうとしたか。
「途中からはどう流れを変えていこうかと父に質問を投げかけた。相手はガードが高いし、ボディーに切り替えていこうと。でもボティーのブロッキングもうまい。すごく研究して、ディフェンシブに戦ってきている印象。途中からはそういう(ボディー狙いの)作戦に切り替えた」
-内容に反省はあるか。
「8回かかったことに関しては何も思ってないが、倒しきるまでに、テクニックで相手を出させる駆け引きがもっと必要だった。相手もああいう作戦で戦うということは(自分を)すごく研究しているなと感じたので。結果的に8回かかったことは何も思ってない」
-これでも倒れないかという場面は。
「ジャブに関してはかなりダメージが蓄積しきるくらい当たっているのはあったが、ボディーにしろ、右のパンチにしろ、芯を食うパンチはやっていてそこまで感じなかった。リードジャブに関しては、すごくダメージを感じるくらい当てていたので」
-KOが求められるボクサーとして。
「自分が常々そういうことを口にして言っているので、周りのファンの方もそういう見方をすると思うし、来年もそういう試合ができるようにしたい」
-PPVも掛かり、試合以外の要素で影響したことは。
「試合に関してはない。ただ、時には期待を超えない勝ち方をすることもあると思うので、覚えておいてください(笑)」
-大橋会長はスーパーバンタム級も視野と。来春に向けての考え。
「4団体統一もすごく重視してバンタムでこだわってやってきたが、こじれにこじれて、スムーズにいかなければスーパーバンタム級も考える。そこは陣営と相談したい」
-自身の要望としては。
「願いとしては、(カシメロかドネアの)どちらかの王者とやりたいが、(WBOの)カシメロの措置が下されてないので」
-相手がタフでも集中力を切らさなかった要因。
「自分の中では集中力は頑張って保っていたが、途中若干切れた。課題というか、そこは意識でどうにでもなる」
-白い服で埋まった会場は。
「入場する時に白い景色が見えた。ボクシング興行では異例のドレスコードにご協力いただきありがとうございました」
-最後に一言。
「この試合が成立するために色んな方が動いてくださった。来年も日本か米国のどちらになるかわからないが、皆さんの前でいい試合ができるように頑張りたい」