“プリンス”石田匠、6・11強敵突破で世界王者・拓真に挑戦権「絶対に世界チャンピオンになる」

 挑戦者決定戦に臨む石田匠
 挑戦者決定戦に臨む石田匠
 挑戦者決定戦に臨む石田匠(右)と井岡一法会長
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 関西ボクシング界の“プリンス”に再び世界チャンスが巡ってきた。元日本スーパーフライ級王者でWBA世界バンタム級3位の石田匠(31)=井岡=が同級挑戦者決定戦(11日、大阪・住吉区民センター)に臨む。相手は無敗のサウスポー、同4位のビクター・サンティリャン(27)=ドミニカ共和国。勝者が同級世界王者の井上拓真(27)=大橋=への挑戦権を手にする。戦績は石田が32勝(16KO)3敗、サンティリャンが13勝(5KO)。

 承認待ちで試合の正式発表こそ長引いたが仕上がりに隙はない。約100ラウンドのスパーリングでサウスポー対策を入念に繰り返した。複数人を相手に1人で15ラウンドを戦いスタミナ面でも圧倒する態勢は整えた。

 「中身の濃い練習ができた。最後までしっかり気を抜かずに。本当に順調にきています」と力を込めた。

 2017年に英国でWBA世界スーパーフライ級王座に初挑戦し判定負け。19年にはIBF同級王座挑戦者決定戦に1-2の僅差判定負け。21年には元世界3階級王者の田中恒成(畑中)に判定1-2で惜敗。世界レベルの敵に過去3戦3敗。あと一歩でチャンスを逃してきたが、心は折れなかった。

 「世界チャンピオンになることだけはぶれていない。その気持ちがある限り頑張れる。日本でできる。何がなんでも勝たなあかん。悔しい気持ちがあるから、それは自分で晴らすしかない。そういう経験をしたから強くなっている。プラスに考えて負けたままで終わりたくない。最後は世界チャンピオンになって、という思いだけで頑張っている。気持ちも折れてなかったし、自分は世界を取れる自信もあった。自信がなくなれば辞める時。最後に世界チャンピオンになればいい」と覚悟を口にした。

 勝てば井上拓真の初防衛戦の相手。「最高ですよ。楽しみですし、絶対にやりたい。日本人同士、名前もある、(元世界バンタム級4団体統一王者)尚弥選手の弟と。自分も名前を売るチャンスだし、一石二鳥。勝ったらそれだけ自分の株も上がる。めっちゃかみ合うと思う。タイプも似ているし。まずはこの試合に勝たないと」と年内にも世界挑戦を描き、その通過点で絶対に負けられない。

 井岡ジムは元世界4階級王者・井岡一翔(志成)、元WBA世界ミニマム級王者・宮崎亮(KWORLD3)らを輩出。関西最強を誇り、時代を築いた。石田は「プリンス」と呼ばれ、“キング”井岡の背中を見て育った。

 「今は僕が看板を背負っている。(ジム生)数は少なくなったけど、もう一回、井岡ジムに勢いを取り戻したい。僕が世界チャンピオンになったら3人目。なりたいですし、もう一発、昔のようにやっぱり井岡ジムは強いなって、全国の人に井岡ジムやなって思わせたいし、今はほんまに僕中心に動いてくれている。そのためにも結果を残すために頑張れる。(先輩らは)散らばったり、辞めたりしたけど、僕が復活させたい。勝って恩返ししたい」と決意する。

 サンティリャンは173センチの石田より身長は低いもののリーチは長い。アマチュア200勝(25敗)のキャリアがある技巧派。テクニシャン同士の攻防は望むところだ。

 「かみ合う。その中で自分から仕かけていく。判定になったときに10-9で終われるような、ずっと自分のペースで。勝ってなんぼなんで。その中でチャンスあればたたみかけてまとめていきたい。先手先手で。自分からいく。そこまでハードパンチャーではないし、打ち合うところは打ち合ったろうと思う」と真っ向勝負だ。

 兄貴分の井岡も24日にWBA世界スーパーフライ級王座戦で王者ジョシュア・フランコ(米国)と再戦。「(井岡に)いい報告ができるように、しっかり頑張ります」と石田は誓った。(デイリースポーツ・荒木 司)

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