海野翔太 新日本1・4メイン“鋼のメンタル”で戦う 「気持ちは分かる」ブーイング歓迎も「行動しないと何も生まれない」

 日本プロレス界最大の興行である新日本の1・4東京ドーム大会が迫ってきた。2025年のメインは、王者ザック・セイバーJr.(37)に新世代の海野翔太(27)が挑戦するIWGP世界ヘビー級選手権試合。10・14両国国技館大会で挑戦を表明した海野にブーイングが浴びせられ、ネットでも反発の意見が目立つ一方で、会場では海野グッズを身に着けて応援するファンも多い。今年のプロレス界最大の賛否両論を巻き起こした渦中の海野に、大舞台を目前にした心境を聞いた。

 東京ドームのメインに初めて抜てきされた海野は、「会社を背負って戦わなきゃならないという思いもあるし、東京ドームのメインが安定されてなかったら、その1年はとても不安かなというぐらい、スタートダッシュとしても大事ということは分かり切っている」と責任と重圧を口にした。

 対角線に立つのはプロレス大賞MVPに選ばれ、マット界の顔にのし上がったザック。ザックの新日本初参戦と海野のデビューは同じ2017年で、「新日本に対する愛は本当に大きいと思いますし、新日本への考え方だったり気持ちは、外国人選手の中でもずばぬけていると思います。全ての能力が高い」とリスペクトしている。だからこそ「いい意味で昔の新日本プロレスじゃないですけど、戦いを作れるんじゃないかな」と感じている。

 海野はザックに対し今年、3勝負けなし。ザックも「一人だけ借りを返していない」と海野の挑戦を認めたが、そうではないファンも一定数おり、その反発は下半期に大きな話題を呼んだブーイングとなって表れた。

 海野は「実績や結果がなくて東京ドームのメイン、ふざけるなっていう気持ちは分かる」、「オマエはそこまで来られてないよ、もっと実績と結果積んでからIWGP挑戦しろよ、というブーイングだととらえている」とブーイングを送る心情に理解を示す。それでも、「ザックが承諾してる時点で何の問題もない」ときっぱりと反論。「行動しないと何も生まれない。そういう気持ちもあって、挑戦させていただいているというのは分かってほしい」と訴える。

 当初はブーイングを「気にしてましたね」と認めるが、「時間が解決しますよね」と時が経過するにつれて気にならなくなったという。実際、年末のタッグリーグ戦でも、今年最後の興行になった23日の後楽園大会でも、声援こそあれブーイングは起きなかった。

 海野はブーイングを送ったり、ネットに反発を書き込むファンも「プロレス好きなんだな」と理解を示す。「負の意見だろうがエネルギーを使うって、本当に興味ないことに対してしないと思う。その選手が気になってなかったら、エネルギーを使わないのが人間の本質だと思う」と指摘した。

 この件で「すごいメンタルは鍛えられた」と思わぬ収穫も得た。「名前ひとつでそんだけ話題になるってことは、新日本でもなかなかいない選手なんじゃないかな。いま海野翔太って名前を聞けば、何か言いたいとかブーイングしてやろうとか、思わせてる時点でありがたい話ではありますね」と前向きに解釈できるようになっている。

 海野は「そういうのひとつで新日本プロレスが盛り上がってくれるんだったら、僕はやりたいことを貫いて戦うだけ。そういったインパクトを与えられたのは、東京ドームをより面白くしてくれるんじゃないのかな」と力を込める。“鋼のメンタル”を手に大舞台へと上がるつもりだ。

 ◆海野翔太(うみの・しょうた)1997年4月17日生まれ、東京都世田谷区出身。父はレッドシューズ海野レフェリー。野球を経て2016年、新日本入門。17年デビュー。19年、ジョン・モクスリーとの一騎打ちに敗れるも師弟関係を結ぶ。英国武者修行に出発。22年、凱旋帰国。23年1・4東京ドーム大会で、新日本ラストマッチの武藤敬司と、棚橋弘至を含むトリオを結成。24年5月、モクスリーのIWGP世界ヘビー級王座に挑戦も敗れる。183センチ、103キロ。AB型。必殺技はデスライダー。

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