あれから8年…故三沢光晴さんの悲劇は今に生かされているのか

09年6月13日、試合中の事故で急逝したプロレスラー・三沢光晴さん。あれから8年が経ちました。あの時、二度と悲劇を繰り返すまいと色んな人々が動いたはずです。その教訓は今に生かされているのでしょうか。

公開日:2017.6.13

“黒のカリスマ”蝶野は救命救急のための一般社団法人を立ち上げ

蝶野と小橋が“強力タッグ”結成

 プロレスラーとして一時代を築いた蝶野正洋(51)と小橋建太(48)が25日、都内の総務省消防庁で会見し、9月6日に東京・お台場で開催される『救急の日2015』で、スペシャル・トークイベントを行なうことを発表した。2003年の新日本プロレス5・2東京ドーム大会で、ノアのGHCヘビー級王座を賭けて激闘を繰り広げた両雄が、救急救命の啓発活動のために“強力タッグ”を結成することになった。

蝶野と小橋が“強力タッグ”結成

 蝶野が救急救命の啓発活動を行うようになったのは「プロレス界でライバル団体のトップであった三沢光晴選手がリング上で亡くなったことが大きく影響している」からだという。蝶野は「あの時、業界が何かをしないといけないと、選手管理、危機管理を統一しようという動きがあったんですが、まとまりきらなかった。それなら個人個人が救命の知識を知っておけばいいと思い、救命講習を受けに行ったのが始まり。プロスラーとしてできることは勇気と救急救命の知識を広めること」と思いを語った。

蝶野と小橋が“強力タッグ”結成

5年前から積極的に救急救命の啓発活動を行ってきた蝶野は、昨年7月に一般法人「ニューワールドアワーズスポーツ救命協会」を設立。

蝶野と小橋が“強力タッグ”結成

小橋は「2009年6月13日に先輩の三沢光晴さんが倒れて、救急救命の重要性は身に染みて分かっています。その中で自分が何ができるのかを考えてきました。今回のイベントで一人一人に救急救命の大切を伝えていきたい」と、力強く腕まくりした。

蝶野と小橋が“強力タッグ”結成

それで今、どうなってるの?

三沢さんの事故から8年。蝶野の個人での活動が目立つくらいで、大きく報じられた「プロレス統一コミッション」はうやむやのままです。8年前の事故の直後、多くの人が「悲劇を繰り返さないために」と動いたはずですが…。あの時の決意は、いったいどこへいってしまったのでしょうか?

三沢さんのお別れ会で花束をリングに投げ入れるファン=2009年7月4日

くしくもここ最近、プロレス界では大きな怪我が立て続けに起こっています。また大きな悲劇が起こってからでは遅いのです。三沢さんの事故を風化させず、もう二度とあのような悲劇が起こらないよう、プロレス界全体が協力し、本格的な対策に乗り出すことを願ってやみません。

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