毎回約１０キロの減量を強いられ、この日は特につらそうな表情。寝癖がついたまま開始直前に現れた。具志堅会長は「体重を教えてくれないんだよ。厳しい状況」と険しい表情で話した。

　減量苦は限界に達していた。ダブル世界戦の調印式が１３日、都内で行われた。王者・比嘉大吾（２２）＝白井・具志堅スポーツ＝の顔色は悪く、笑みを浮かべる余裕すらなかった。

　日本新記録となる１６戦連続ＫＯの偉業に挑むＶ３戦。記録への意気込みを問われても「絶対に倒し…あの…絶対に倒します」と、声を絞り出すのがやっとだった。

　比嘉の現在の体重について、具志堅会長は「トレーナーも教えてくれないんだよ」とけむに巻いたが、「信頼するしかない。大丈夫だと思う」と自らに言い聞かせるように繰り返した。

前日計量が１４日、都内で行われ、ＷＢＣ世界フライ級タイトルマッチで日本新記録となる１６試合連続ＫＯと３度目の防衛を狙う王者の比嘉大吾（２２）＝白井・具志堅スポーツ＝が体重超過で王座剥奪となった。日本人が世界戦で体重超過となるのは史上初。

比嘉は１回目の計量で制限体重（５０・８キロ）から９００グラムオーバーの５１・７キロで体重超過となった。規定により２時間の猶予が与えられた中での減量を目指したが、午後２時３０分過ぎに減量をギブアップしたことが発表された。