太安万侶の銅板墓誌、国宝へ 最古級「伎楽面」も、文化審
文化審議会は21日、古事記の編者・太安万侶の銅板墓誌や、法隆寺から皇室に献納された最古級の仮面群「伎楽面」などの美術工芸品4件を国宝に、42件を重要文化財に指定するよう文部科学相に答申した。答申通り指定される見通しで、美術工芸品の重要文化財は1万953件(うち国宝916件)となる。
「太安万侶銅板墓誌」は41字が刻まれ、居住地や氏名、没年月日などが記されている。安万侶が実在していたことを証明する物として「歴史上欠かすことのできない一級資料」と評価した。
伎楽面は古代日本の舞踊劇に用いられた仮面。クスノキやキリ製などで、7世紀後半~8世紀前半に作られたとみられる。保存状態が良く、世界的見地から見ても価値が高いと判断した。
他の国宝候補2件は、1192年に没した後白河法皇を追善供養するために書かれた写経「物語下絵料紙金光明経巻第二」と、藤原公任が撰者とされる平安時代の詩歌集「和漢朗詠集」の写本。
重要文化財は、集落の生活や祭祀に関する「群馬県金井遺跡群出土品」や、「琉球家譜」などの指定を答申した。