「これを考案した料理人はだれだ!」居酒屋で海原雄山のごとく激高した研究者→至高の豆腐ずしを編み出した

至高の豆腐ずし作りにチャレンジする男性がSNS上で大きな注目を集めている。

民俗学研究者の酒徒吉風さん(syutoyoshikaze)が豆腐ずしを自作しようとしたきっかけは、飲食店でたまたま注文した豆腐ずしが単に冷奴にネタを乗せたもので、すこぶる不味かったこと。

「これを考案した料理人はだれだ!」と漫画「美味しんぼ」に登場する美食家・海原雄山ばりの怒りを抱いたという酒徒吉風さん。怒りを綴った投稿はSNSユーザー達から

「ネタによって、木綿、絹やら、焼き豆腐やら、やりようあるやろ、、、と画像を観て感じた」

「せめて水気をしっかりと切り、出汁等で下味をつけるというとこまでやって商品になるかどうか。写真を見る限り、ただの冷ややっこですよね・・・せめてサイズくらいは合わせてもいいんじゃ(個人の感想ですw」

「木綿か、焼き豆腐を一旦崩して酢飯と同じ味付けにして再び固めればもう少しいいかな」

など数々の共感の声が寄せられる大反響となり、言うだけでなく自ら至高の豆腐ずしを作ってやろうとなったのだ。

■投稿者に聞いた

酒徒吉風さんに話を聞いた。

ーーこの豆腐ずしを召し上がった店は?

酒徒吉風:山梨甲府市のとある居酒屋です。たまたま、友人の先生と大学の地学、民俗学の調査で山梨にフィールドワークに行きまして、帰りに寄った店がここでした。寿司や刺身に力を入れており、お料理もお酒もとても良かったです。

そんな中、「豆腐ずし」というメニューを見付け、珍しいので頼んでみました。初め寿司種の魚を豆腐にしたものだと思っていたのですが、実際は写真の通り、冷奴にネタを載せただけという残念なものでした。その後しばらく経って、友人とロカボ飯の話をしていたときに思い出して、ツイートを投稿したところ反響があった次第です。

ーー反響へのご感想をお聞かせください。

酒徒吉風:1割、2割は「こうしたら美味しくなるだろう」という提案でしたが。残りは「そもそもこうした組み合わせで食べるのはおかしい」、「山梨で寿司を頼むのがおかしい」といった、根拠のない批判でした。私自身、民俗学で食文化などを研究してますので、根拠のない批判への反論として、美味しい豆腐ずしを自作しようと思った次第です。

ーーご自身で作った豆腐ずしはいかがでしたか?

酒徒吉風:豆腐でシャリの旨さを超えるのはなかなか難しいです。しかし、固い豆腐を水切りしたり、寿司種を漬けにしたり、薬味として味の強い辛子を使うなど、きちんと作れば美味しくなることがわかりました。低糖質の人向けのロカボな食事が注目されてる現在、ちゃんと豆腐ずしに向き合った調理をすれば、今後十分広まる料理だと思ってます。

特に豆腐を潰して寒天寄せにしてシャリにしたものは、ちゃんとプロが作れば見た目も味も美しく、和食の前菜などに使える料理になると思っています。またロカボとはずれますが、豆腐そのものを寿司種にするのも十分ありだと思います。

◇ ◇

たまたま食べた豆腐ずしが美味しくなかったことから始まったチャレンジだったが、結果として新しい豆腐ずしの可能性を切り拓いた酒徒吉風さん。これを機会に豆腐ずしというジャンルが盛り上がり、さらなる進化、洗練を遂げることを期待したい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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