水が違うと、小豆がうまく炊けない!?…京都の老舗和菓子店の女将の投稿が話題に「硬水では出汁もとれません」

地質や河川の影響で、地域ごとに異なる水の硬度。今、SNS上ではそんな水の硬度が調理に与える影響が大きな注目を集めている。

「子供の自由研究テーマは、『硬水と軟水』。

出汁やお茶、ご飯は違いはあるものの、まだどちらも美味しいレベル。

しかし、小豆を炊いてみたら、硬水(左)は3時間煮ても一向に柔らかくならず、ゴリゴリの豆になってびっくりしました。

食文化の違いは水の影響も大きいですね。」

と一枚の写真を紹介したのは京都の老舗和菓子店・亀屋良長の女将、吉村由依子さん(@YuikoYoshimura)。

軟水で炊いた小豆がふっくらきれいに仕上がったのに比べ、硬水で炊いた小豆は見るからに煮え方にムラがあり、お世辞にもおいしそうとは言えない。なぜこんな違いが出たのだろうか?

吉村さんに話を聞いた。

ーーお子さんが今回のテーマを選ばれた経緯は?

吉村:子供は中学2年。食に興味があるので、食をテーマにしました。中でも家では井戸水を使っているので関心があり、水をテーマにしたらどうかとなりました。

ーー今回の実験結果への感想をあらためて。

吉村:出汁やお茶、コーヒー、炊飯、パスタ茹でを試して、最後に小豆を炊きました。それまでは、違いはあるものの、どちらもそれなりに美味しく食べられる程度に成り立っていましたが、硬水の小豆は、全くの別物になりびっくりしました。

ーー投稿への反響について。

吉村:興味を持ってくださる方が多くて、本当にびっくりしました。特に海外で小豆を炊いて、うまくいかなかった経験のある方からのコメントなども聞けてよかったです。色々とアドバイスやご意見を聞けたので、さらに深掘りしてみようとなりました。

◇ ◇

SNSユーザー達から

「ヨーロッパでは小豆うまく炊けません。同じく昆布だしも出ません!だから乳製品や脂などが必要なのです。。。」

「小豆にはペクチンという水溶性食物繊維が含まれますが、硬水に含まれるカルシウムイオンと結びつくと膜を作ってしまう。それで煮えにくくなります。ちなみに、小豆の煮汁を冷やすとゼリー状になるのもペクチンのおかげです。」

「日本は軟水で出汁が出るから出汁の文化が栄え、外国は硬水が殆どで出汁が出ないからスパイスの文化が栄えたと考えています。今住んでいるマレーシアで餡子を作っていますが美味しい小豆を日本から持ってきても全然風味が出ません。」

など数々の意見が寄せられた今回の投稿。読者のみなさんもぜひお料理をする際の参考にしていただきたい。

なお今回の話題を提供してくれた吉村さんは今年3月にレシピ本「あんこのお菓子帖」(文化出版局)を出版。美味しいあんこの炊き方から家庭で楽しめるお菓子作りについて詳しく紹介しているので、ご興味ある方は要チェックだ。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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