就活失敗の理由は「アルバイトをしてこなかったから」!? 面接で何度も落ちた学生に共通する“思考の落とし穴”とは【キャリアカウンセラーが解説】
国立大学4年生のAさんは、就職活動にて書類選考は通過するものの、面接で何度も落とされる日々が続いていました。ある日、Aさんは親友のBさんに「アルバイトしてこなかったから面接官に評価されないんだ」と愚痴をこぼします。
愚痴をこぼす割にはAさんはこれまで機会があったにもかかわらず、アルバイトを避けていました。実家暮らしで箱入り娘として育てられたAさんは、何をしても両親から許されてきたこともあり、これまでも目の前に困難が生じると言い訳をして逃げてきたのです。
BさんもAさんに何度もアルバイトを勧めていたのですが「勉強をしないといけない」などと言い訳をして、現実から目を背けていたのです。勉強を理由にアルバイトを避けてきたAさんは、今度はアルバイトを理由に就職活動の失敗から目を背けようとしていました。
アルバイトしてなくても内定を獲得した人がいると言っても聞く耳をもちません。いい加減呆れてしまったBさんも、だんだんとAさんの相手をしなくなっていくのでした。
実際、Aさんと同じように「アルバイトしていなかったから」という理由を口にして、現実から目を背ける学生が増えているといいます。学生の就職指導もおこなっているキャリアカウンセラーの七野綾音さんに話を聞きました。
ー就活の失敗をアルバイトのせいにする学生の背景には何があるのでしょうか
実際に就職活動が不調であることに対して、Aさんのように「アルバイトをしていなかったから」と話す人もいます。話を深く聞いてみると、アルバイトに限らずサークルやボランティア活動など、複数人と絡む経験をしてきていない人が多いです。
このような学生の多くは、せっかく周りの人がアドバイスをしてくれても素直に受け止められない傾向があります。変なプライドや、自分のマイナス面を認めて傷つくことを避けるために、できない理由を並べる癖がついています。「アルバイトをしていないから」と表面的な回答をしておけば、問題の本質に触れることなくその場をしのげると考えているのでしょう。
ーAさんのような人が採用されるにはどうしたらいいでしょうか
実際に私が対応した人の場合は、「アルバイトをしていない人でも採用された人はいるんじゃない?」など、自分が採用されなかった理由として論理的ではない考え方をひとつずつ潰していくことで、物事の捉え方や考えを変えていってもらいました。最初はAさんのように言い訳が並んでいたのですが、根気よく話しているうちに変化が見られました。
最終的には自分の現状と向き合い、自分に不足している人間関係の作り方や働いて給与をいただく責任感を補うために、まずはアルバイトでの採用を目指し、アルバイトとして採用されることになりました。現在はアルバイトとして働きながらその会社での正社員採用を目指し、自分らしく社会に順応していこうと努力されています。
◆七野綾音(しちのあやね)キャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント やりがいを実感しながら自分らしく働く大人を増やして、「大人って楽しそう!働くのって面白そう!」と子ども達が思える社会を目指すキャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)
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