1200年前、平安時代の貴族が着ていた普段着→令和で「モード」に!?「ファッションは時代を回ると言うけど…」「すごい挑戦」

平安時代風のモードファッションがSNS上で大きな注目を集めている。

きっかけになったのは「【新発売】狩衣と水干を元にした現代的和装『平安モード』誕生」と自作ブランドの作品を紹介したクリエイティブディレクターのみさまる(稲岡美紗)さん(@misamaru_kimono)の投稿。

 シックなモノトーンの一着で狩衣風、水干風両方の装いができる洗練されたデザイン。平安風と言っても仰々しい感じはなく、これなら日常のおしゃれの一環として楽しめそうだ。稲岡さんにお話を聞いた。

ーーこのシリーズを着想した経緯を。

稲岡:平安モードの着想を得たのは和装ブランドMISAMARUを設立した2024年6月頃になります。当ブランド展開を始めるにあたり、改めて着物だけではなく、書籍にて日本の服飾史全体を学び直しました。その際、主に平安時代に庶民の男性や貴族が着用していたとされる狩衣、水干のビジュアルのかっこよさに心を奪われ「性別関係なく着られる狩衣・水干モチーフの現代的なトップスを作りたい」と思い立ちました。

ーー製作にあたってのこだわりは?

稲岡:書籍による歴史的な学習だけではなく、現代で狩衣を着用する機会がある神主さんなど神社関係者、京都の有識者、日本服飾史の先生方へ取材することに注力しました。

ーー本格的な取材、研究をされたんですね。

稲岡:平安モードを発表させていただいた際にもお詫び文を出させていただいたのですが、2024年11月06日にXにて「平安モード」の試作品を「狩衣」と表現してしまい、多くの方に不快な思いをさせてしまったことがあります。特に白の狩衣風の装いは神職者の浄衣、白丁と混合される形となり、ご指摘をいただきました。この頃はまだ書籍による歴史としての狩衣・水干の学習に留まっており、神社で現在進行形で着用される装束としての狩衣、水干の役割に対する理解ができていませんでした。そこで反省し取材に取り組んだ次第です。

ーー取材中は

稲岡:商用目的での取材ということで、アポイントの時点でほとんどの神社関係者や、神社を統括する神社庁からも断られ非常に難航しました。京都の有識者の方々も全て紹介を経なければならず、自分だけの力ではどうにもならないことが多々ありました。でも諦めたくない、皆様にご納得いただけてかつ喜んでもらえる形で現代的な狩衣・水干風の和装を作りたい、その一心で製作に取り組んでまいりました。取材にご協力くださった関係者の皆様方、紹介の輪を繋いでくださった方々には本当に感謝の気持でいっぱいです。

 ーー投稿に大きな反響がありました。

稲岡:反響がとても大きくフォロワー様も2千人増え大変驚きました。「およそ1200年前の平安時代の貴族や上級役人が来ていた普段着が令和になって狩衣風上衣が普段着になる時代が来たぞ…」、「ファッションは時代を回るというけど、遡りすぎだろ笑」といったコメントも頂戴し、世間の関心の高さの様なものを感じました。また神職関係者を名乗る方から「ここまで来るのにつらいことも多かったのではと思いますが、すごい挑戦をされていると思います。応援します」とDMをいただき非常に励まされ涙が出ました。

◇ ◇

SNSユーザー達からなど数々の驚きの声、絶賛の声が寄せられた今回の投稿。みさまるさんが手がけた服はMISAMARUのウェブショップで購入可能。サイト上でもさまざまな平安モードのバリエーションが紹介されているので、ご興味ある方はぜひご覧になっていただきたい。

みさまる(稲岡美紗)さん関連情報

Xアカウント:https://x.com/misamaru_kimono

MISAMARUウェブショップ:https://misamaru04.base.shop

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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