野党「首相の判断遅かった」 与党は政権へのマイナス懸念
野党は7日、医療費の支払いを抑える「高額療養費制度」を巡り、今年8月からの自己負担上限額引き上げ見送りを表明した石破茂首相に対し「遅かった」(立憲民主党の野田佳彦代表)と一斉に批判した。与党からは3度目の方針転換について「少数与党とはいえ右往左往ぶりが際立つ。政権運営にマイナスだ」(閣僚経験者)との懸念が出た。
野田氏は「与党の政策決定プロセスに問題があったのではないか」と指摘。立民が国会で全面凍結を求め続けた結果、与党内の世論も動き、引き上げ見送りに至ったと強調した。
日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は見送りは当然との認識を示した。国民民主党の榛葉賀津也幹事長は「不安な気持ちでいっぱいの患者に寄り添うのは当然だからこそ、今回の判断は遅い」と主張。共産党の山添拓政策委員長は政権の対応に関し、がん患者ら当事者の思いから懸け離れていたと非難した。
一方、自民党のベテラン議員は「夏の参院選前に、なぜ反発が予想される療養費の負担増を取り上げる必要があったのか」と疑問を呈した。