「火山灰警報」導入へ、気象庁 富士山などの大規模噴火想定
富士山などの火山で大規模噴火が発生した際の情報について議論する気象庁の有識者検討会は25日、降灰量の累積が3センチ以上と予想される場合に「火山灰警報」(仮称)を、0・1ミリ以上で「火山灰注意報」(同)を発表するとした報告書案を大筋で了承した。
報告書は4月以降に公表される見通しで、気象庁は運用開始までは数年程度かかるとしている。新たな情報は全国の火山が対象で、火山灰の量は「30センチ以上」「3センチ以上」「0・1ミリ以上」「0・1ミリ未満」に区分けして発表する。
降雨時に木造家屋が倒壊する恐れがあるなど、厳重な警戒が必要な「30センチ以上」ではより強い呼びかけが必要として、運用開始までに方法を検討する。
火山灰は0・1ミリで鉄道の運行停止やぜんそく患者らの症状悪化、3センチで降雨時に二輪駆動車が通行不能となる恐れがあるなど、交通やライフラインへの影響は深刻だ。
政府の中央防災会議が20年に出した被害想定では、富士山が大規模に噴火すれば、風向きなどによっては噴火から15日目までの累計で東京都新宿区に灰が10センチ積もる。