石破茂首相は１０日の参院予算委員会で、提出先送り論が自民党内で出ている年金制度改革関連法案について、今国会への提出を前提に調整を進めているとの考えを示した。「国会で審議し、成立を期すため、どういう形が良いかを与党で検討している」と述べた。これに先立ち、自民、公明両党幹事長は東京都内で会談し、年金法案も含めた「重要広範議案」に関し、論点整理のため立憲民主党など主要野党に協議を要請する方針を確認した。

　福岡資麿厚生労働相は参院予算委で、年金法案への対応を問われ「提出すべく努力させていただいている」と述べた。立民の徳永エリ氏への答弁。

　重要広範議案は、政府提出法案のうち、衆参両院の本会議や委員会での質疑に首相の出席を求める法案を指す。自公は、立民のほか日本維新の会、国民民主党にも意見交換を打診する方向だ。ただ立民の野田佳彦代表は事前協議に否定的な考えを示している。

　年金法案には保険料の負担増を伴う内容が含まれている。自民参院側を中心に、今国会閉会後に控える参院選への影響を懸念する声が上がっている。