「主役」は隣国のトランプ大統領 カナダ与党自由党、9日に党首選
カナダのトルドー首相の辞任表明に伴う与党自由党の党首選が9日に実施される。後継首相となる新党首の候補は4人で、事実上の主役はカナダへの関税発動を打ち出した隣国のトランプ米大統領だ。10月までに実施される下院総選挙を念頭に、候補らには米国の圧力を党勢回復に利用しようとの思惑もにじむ。
2月24、25日に候補者討論会が開かれ、フリーランド前副首相は「トランプ氏はわが国にとって第2次大戦以来の最も深刻な脅威だ」と強調。「私が首相になればひるむことなく、やられたらやり返す」とアピールした。
トランプ氏はカナダを「米国の51番目の州」にすべきだと主張してトルドー氏を州知事呼ばわりしており、カナダ国内で反発の声が上がる。
最有力候補とされるカーニー元カナダ銀行総裁は討論会で「どんな形であれ、米国に併合されることはない」と語気を強めた。候補同士の批判は少なく、矛先は米国のほか「トランプ氏を崇拝している」(カーニー氏)として最大野党保守党のポワリエーブル党首に向けられた。