核禁条約は「混乱の時代の光」 拍手で閉幕、被爆者に笑顔や怒り
【ニューヨーク共同】核兵器禁止条約第3回締約国会議が閉幕し、米ニューヨークの国連本部の議場は7日、拍手に包まれた。政治宣言は条約を「混乱の時代における希望の光」と表現。採択を見守った被爆者は笑顔や安堵の表情を見せた。条約に背を向ける国への怒りの声もある。
日本原水爆被害者団体協議会(被団協)事務局次長の和田征子さん(81)=横浜市=は「勢いを被爆80年で終わらせず続けていかなくては」と未来を見据えた。記者団の取材に応じる和田さんの元に、米国人の女性が歩み寄り「私たちのために貢献してくれてありがとう」と握手を求める場面もあった。
「核をなくさないといけないという思いがとても伝わった」。会議初日に演説した被団協事務局次長の浜住治郎さん(79)=東京都稲城市=は5日間の会議を走りきり、充実感をにじませた。
傍聴したカナダ在住の被爆者サーロー節子さん(93)は、今回の会議で若者の参加が印象に残ったとし「頑張りを見てうれしく思う。私たちの活動を受け継いでほしい」と期待を寄せた。