金融界の「ロックスター」 手腕未知数のカーニー氏
カナダの新首相になるマーク・カーニー氏は、史上2番目の若さでカナダ銀行総裁に、外国出身者として初めて英中央銀行イングランド銀行の総裁となった。輝かしい経歴と端正な容姿から金融界の「ロックスター」と呼ばれ、危機管理で実績を残した。ただ政治家出身ではなく、カナダに圧力を強めるトランプ米大統領と対峙する首相としての手腕は未知数だ。
米ハーバード大で経済を学び、英オックスフォード大大学院で経済学修士号と博士号を取得。米金融大手ゴールドマン・サックスで13年間勤め、東京やロンドン、ニューヨークに赴任した。
財務省高官を経て2008年にカナダ銀行総裁に就任すると早急に利下げし、同年の世界的な金融危機によるカナダへの打撃を最小限にとどめたと評価された。10年には米誌タイムの「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。
13年にイングランド銀行総裁になると、英国の欧州連合(EU)離脱に反対し、政治的な発言を控えるべきだと批判を浴びた。離脱決定の日が任期中で「最もつらかった」と振り返った。(ニューヨーク共同)