遠藤やっと初白星 因縁の相手押し出し
「大相撲九州場所・4日目」(13日、福岡国際センター)
注目の西前頭7枚目の遠藤が、初白星を挙げた。時天空のつっかけにも動じず、一方的に押し出した。5連覇を目指す白鵬、日馬富士の両横綱はともに初日から4連勝。大関陣では稀勢の里が3勝目を挙げて追走。かど番の琴欧洲は左肩負傷のため休場し、来場所は関脇に陥落する見込みとなった。全勝は両横綱、関脇豪栄道ら6人。
冷静だった。遠藤は仕切りでまず顔を張られ、さらにもう一度つっかけられた。成立した3度目の立ち合いでも張られたが、「想定していた。何とか耐えることができた」と笑顔をみせた。
時天空には“因縁”がある。先場所で途中休場の原因になった左足首痛の不安を抱えたまま、強行出場した秋巡業。当初は土俵の外で四股を踏んで調整していたが、土俵上でのぶつかり稽古を要請された相手だった。
結果的に左足首の回復が遅れることになり、完治に程遠いまま今場所を迎えた。それでも「あれは時天空関の計らい。ファンのため、と思ってくれたことなので。マイナスだと思っていません」と泣き言は口にしない。
4日目の初白星には「思ったより早く初日が出たと思う。状態が状態なので、勉強しながら我慢したい」と前を向いた。土俵入りからご当地力士を上回る声援を集める遠藤。試練を糧に、この日のような歓声を再び起こすつもりだ。