鳥谷、やっと出た!虎今季1号

 「広島6‐7阪神」(5日、マツダ)

 高々と舞い上がった白球が、鮮やかな放物線を描く。苦しい時に発揮される存在感。一塁ベンチが沈黙し、広島ナインがぼう然と着弾点を見つめた中、軽快にダイヤモンドを一周した。阪神・鳥谷の意地は、結果的に勝利を導く貴重な一発となった。

 「速い球に何とかついていこうと思いました」

 同点で迎えた土壇場の九回だ。先頭で打席に立つ。広島の守護神・ミコライオに2球で追い込まれたが、カウント2‐2からの6球目だった。外角高めの直球を逆らうことなく力強くはじき返すと、打球はゆっくりと伸びながら左翼席に吸い込まれる、勝ち越しの1号ソロとなった。

 開幕から7戦目でようやく出たチーム第1号。鮮やかに伸びた逆方向へのアーチは、頭に描いていた一つの形でもあった。昨年のシーズン終了時から、例年通りに肉体面の強化に取り組んだ中、「長打」を一つのテーマに置いていた。

 「強く振るところをもっとしっかり強化できれば、その(長打の)確率も上がってくるんじゃないかということを考えてやりました」

 地道に続けたウエートトレーニング。その内容を加速させたのが、元来持ち合わせる向上心だ。阪神を離れて参加したWBC中には、2次ラウンド初戦の台湾戦前日に、他の内野手数人と共に精力的に600本近いノックを受けた。常に「もっとうまくなりたいんで」と話す姿勢に侍首脳陣も驚いたほど。そのハートが勝負強さにつながる。

 「(一発は)逆方向と言っても、合わせての結果なんで」と鳥谷。もちろん、満足することはない。さらなる高みを目指し、走り続けていく。

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