ドラ2高橋、球界席巻“伝統の魔球”「亜細亜ボール」で勝負!東浜、山崎康に続く

 阪神からドラフト2位指名された高橋遥人投手(22)=亜細亜大=が6日、東京都武蔵野市の同大学内で佐野統括スカウト、吉野スカウトらの指名あいさつを受けた。来春の1軍キャンプに参加する可能性も高い即戦力左腕。名門で受け継いだ伝統の“亜細亜ボール”を武器に、プロの世界へと飛び込む決意を示した。

 脈々と受け継がれてきた伝統。それが“亜細亜ボール”だ。同大学出身の投手が武器としているツーシーム系の落ちる球。高橋もそれを駆使する。ゆっくりとした口調で、球界を席巻している変化球について説明した。

 「誰から始まったか分からないですけど、一番最初に投げ始めた人が(後輩に)教えて、それが今も上から教えられたことを下に。自分もいろいろな人に教えてもらいました」

 今季16勝で最多勝に輝いたソフトバンク・東浜、DeNA不動の守護神・山崎康、今年15勝を挙げて一気にブレークした広島・薮田ら…。球界でも勢いのあるメンバーが“亜細亜ボール”の使い手だ。受け継いだものにそれぞれアレンジを加えることによって、速さや変化は十人十色となっている。

 高橋の場合は130キロ台後半の球速が出るタイプ。さらに、「いい時は空振りが取れます」と落差も十分だ。自身が「決め球にもなると思います」と言うように、ただのゴロを打たせるだけの球ではない。

 気になるのが「一番最初に投げ始めた人」だが、その正体を同大学野球部の西村忠之副部長が明かしてくれた。「東浜が一番最初でした。それを同部屋だった九里(広島)、山崎、薮田に教えたのが始まりです」。歴史は最多勝右腕が在籍していた2013年頃から現在まで続いている。

 金本監督は今年のドラフトで指名した大卒、社会人の上位5選手を、来春の1軍キャンプに抜てきする考えを明かしている。高橋は「評価してもらっているのはうれしいのですが、まだまだだと思う」とどこまでも謙虚だが、即戦力の期待はかかる。「もっと磨いて、武器になれば」と力を込めたツーシームで、先輩たちに負けじとプロの打者をなぎ倒していく。

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