福留 右太もも負傷交代 阪神痛すぎ…九回ドリスで逆転負け
「阪神6-7中日」(11日、甲子園球場)
あまりにも痛すぎる敗戦だった。阪神が九回に守護神のラファエル・ドリス投手(30)がアルモンテに痛打されて逆転負け。さらに六回に福留孝介外野手(41)が内野安打を放った際に、右太ももを痛めて交代。症状は明らかではないが、箇所が箇所だけに楽観できない。最悪の場合、登録を抹消する可能性もありそうだ。CS進出を狙う猛虎に暗雲が漂い始めた。
勝利を信じて膨らませたジェット風船が、悲鳴とともに飛び散った。守護神・ドリスは頼りなさそうにマウンドに立ち尽くした。7連戦の初戦で必死の継投も実らず、あと1死から痛恨の逆転負け-。金本監督は「絶対に何としてでもきょうは取りたかったけど…」と語気を強める。
さらに敗戦のダメージに追い打ちをかけたのが福留のアクシデントだ。同点の六回先頭で迎えた第4打席。ロドリゲスの直球にバットを折られたが、フラフラと上がった打球は遊撃前に落ちた。
41歳のベテランが懸命の全力疾走で内野安打に変えると、球場は大きく沸いた。しかし、ベースを踏んだ直後に歩調がおかしくなり、右太もも裏を押さえるしぐさを見せた背番号8。慌てて一塁コーチャーの久慈内野守備走塁コーチがトレーナーを呼び、症状を確認すると、ベンチへ引き揚げた。
球団は気になる症状について「右太ももの張り」と発表。クラブハウスへ戻る際は普通に歩いていたが「まだ分からない」と指揮官は表情を曇らせた。12日以降の試合については状態を見てからかの問いに「ですね。検査に行って」と明かしたように、決して楽観視はできない状況だ。
仮に離脱となれば上向いてきた打線にとっては大きな痛手となる。9月は7試合で打率・500をマークし、3番として重要な役割を担っていた主将。また打つだけでなく、走塁面でも積極的に先の塁を狙う姿勢がチームに勇気を与え、勢いを生み出す一つの要因になっていた。
試合後、福留は無言で車に乗り込んだ。41歳のベテランが全力プレーでチームを鼓舞しようとした。だからこそ、勝ちたかった。その願いもかなわず、九回2死からの逆転負けに、ドリスは「ボール自体は悪いとは思ってないが、(アルモンテに打たれた)あの球に関して言えば上(高め)に行ってしまった」と悔しさをにじませる。
残り26試合、大型連戦が待ち受ける状況で精神的支柱を欠くかもしれない危機に陥った。「明日から切り替えてやっていきます」と必死に前を向いた金本監督。上位進出へ、現状は試練という言葉では片付けられないほど、厳しい。
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