西が陰のヒーロー 無援も仲間信じ8回1失点 「西の方が」矢野監督も賛辞!
「阪神2-1DeNA」(3日、甲子園球場)
クラブハウスへと続く通路を急ぎながら、阪神・西勇輝投手は「大山でしょ」と興奮気味に後輩をねぎらった。味方の援護を信じて腕を振り続けた107球の熱投。白星は手にできなかったが、劇的な幕切れへと導いたのは間違いなく背番号16だった。
二回1死一、二塁から神里に右前適時打を浴びて先制点を献上。だが連打も失点もこの回のみだった。三回から六回まで完全投球。「カード頭で責任を持って、長いイニングを放れたので良かった」と8回3安打1失点の内容に、胸を張った。
バックの存在も心強かった。試合中に遊撃・木浪から「笑顔が少ないですよ」と声を掛けられた。「われに返って、自分の投球を続けることができた」と感謝した右腕は、笑顔を絶やさない普段のスタイルを維持した。
前回登板した4月27日の中日戦では6回5失点。今季初めてカード初戦を託された重圧を過度に意識して、黒星を喫した。それでも、再び中5日でカード初戦を託した矢野監督は「悠輔(大山)より、もしかしたら西の方がヒーローだと思うし、それぐらいの投球をしてくれた」と最大級の賛辞を贈る。
「いい雰囲気で野球ができた」と西。チーム一丸でつかんだ勝利をかみしめた。
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