また荒れない藤浪 3回ノーヒッ投!視察の矢野監督安心「楽しみに待つ」

 「ウエスタン、阪神0-2オリックス」(30日、鳴尾浜球場)

 阪神の藤浪晋太郎投手(25)が30日、鳴尾浜球場で行われたウエスタン・オリックス戦に先発。矢野監督も視察に訪れる中、実戦復帰後2度目の登板で、3回無安打無失点と好投した。最速は155キロを計測。四球はフルカウントから与えた1つだった。順調なステップアップに、自身も「及第点」と納得の表情。待ち望まれる完全復活に向けて明るい兆しを見せた。

 久々の登板を待つ鳴尾浜球場は、平日にもかかわらず入場制限が敷かれた。「ピッチャー・藤浪」のアナウンスに、門前で待つ長蛇の列からも歓声が響く。右腕はいきなり150キロの直球で驚かせた。実戦復帰後2度目で、久々の本拠地登板。「及第点」と評した36球で復活を予感させた。

 1番から8番まで、左打者を並べたオリックス打線(佐野は両打ち)に、藤浪はストライク先行の意識で対する。セットから2段モーション気味の投球。まずは佐野を遊ゴロに抑えると、宣保は低めのカットボールで空振り三振に。続く西野は中飛に抑え、三者凡退のスタートを切った。

 「ブルペンでは分からないこともある。対打者にどういう投球ができるかの確認。今日はそこが課題でした。抜群にいいわけじゃないですけど、段階を踏めたことはよかった」

 前回18日のウエスタン・広島戦(由宇)で67日ぶりに実戦登板。1回を無安打無失点、1奪三振と上々の再スタートを切った。中11日と十分に間隔を空けて臨んだ復帰2戦目。二回は簡単に2死を取ると6番・根本との対戦。フルカウントから四球を選ばれたが、5球目にこの日最速の155キロを計測した。

 「楽しんで投げろ」と背中を押した矢野監督も、2日連続の鳴尾浜視察でネット裏から状態をチェック。三回には1死から、この日唯一の右打者となった広沢に対し、148キロの内角球でバットをへし折った。3回無安打無失点、2三振を奪う内容に指揮官も「順調にいった感じはしている」と安どし、今後に向けて期待を込めた。

 「2軍で投げることを目標にやってないと思うから。オレは楽しみに待つだけなので」

 本気で笑える日は、いつになるだろうか。投げ終えた藤浪は、苦笑いで振り返った。「そういう気持ちでしたけど、楽しむのはなかなか難しい」。まだ道半ば。それでも順調なステップアップだ。次回はイニング数を伸ばし、先発で5回がメドになる。秋の優勝戦線に欠かせぬピース。笑顔見せる時を信じ、復活ロードを歩んでいく。

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