島本 1死満塁火消し 再編“方程式”のジョーカーや
「巨人2-4阪神」(26日、東京ドーム)
静かに笑みを浮かべながら、阪神の島本は試合後の通路を歩いた。ヒーローはソラーテに譲った。それでも、小さな左腕の9球がなければ、勝敗は逆になったかもしれない。傾いた流れを止め、引き寄せた3勝目。守護神ドリス不在の窮地で、26歳の輝きが増している。
1点リードの六回だ。高橋遥が押し出し四球で同点とされ、なおも1死満塁のピンチ。ここで矢野監督は島本をマウンドに送った。打席に1番・若林。柔和な表情とは裏腹に、強気にストレートで追い込んでからの6球目。勝負球の宝刀フォークで空振り三振だ。
「自分の一番、自信のあるボールを選びました。一番、いい所に決まってくれたので。本当によかったです」
犠牲フライでも1点の場面。それでも失点すれば、後輩に黒星が付く可能性もあった。「ハルトが必死に頑張ってくれていた。絶対に0に抑えるつもりだった。全球、全力で投げました」。2死満塁から坂本には、全球ストレート勝負。144キロで三ゴロに打ち取った。指揮官も最大の賛辞を左腕に贈った。
「ハルトに勝ちを付けてあげたかったけど。その後、島本が流れを止めてくれたおかげで、こうなりました」
ソラーテに代わる形でドリスが抹消。中継ぎは手薄になった。だが、チームにとってのピンチは、島本にはアピールの場になる。「毎試合、チャンスだと思っています。しっかりと投げて信頼されるようにしたい」。チーム単独トップとなる41試合目の登板。窮地でこそ輝く若虎が、チーム再浮上のカギを握る。
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