近本、得点こだわる「自分の仕事」 セ新人最多安打&2桁HRよりも勝利優先
阪神の近本光司外野手(24)が15日、個人記録よりもチームの勝利に貢献する意識を示した。残り33試合で、1試合1安打をマークすれば巨人・長嶋茂雄のセ・リーグ新人最多安打記録(153本)を上回る。他にも射程圏内に捉えている記録が数多くあるが、虎の切り込み隊長は逆転CS出場に照準を定めた。
数々の大記録を視界に捉えてもやることは変わらない。首位・巨人との3連戦に向けてこの日、名古屋から東京へ移動した近本。新人記録更新へ期待は大きいが、過度に意識はしない。あくまでもチームの勝利が優先。個人記録よりも勝利を求めるか、という問いかけに「はい。その通りですね」と、目の前の試合と打席に集中する姿勢を示した。
プロ1年目、開幕スタメンデビューを果たし、その後は一度も出場選手登録を抹消されることなくグラウンドに立ち続けた。109試合に出場し、積み重ねてきた安打は124本。1試合1安打でセ・リーグ新人安打記録となる巨人・長嶋茂雄の153本を超える。また、憧れの存在である赤星憲広(128本)まで残り4本は射程圏内だ。
さらに手が届きそうなのが、80年・岡田彰布(デイリースポーツ評論家)の18本以来となる球団新人2桁本塁打。ここまでチーム3位の9本塁打をマークし、あと1本と迫っている。「僕はホームラン打者ではないので、しっかりボールを捉えることだけを意識しています」。コンパクトにミートすることに重きを置く結果が、力強い打球を生み出している。
他にも三塁打、盗塁など手が届く記録はあるが、唯一、こだわるのは得点だ。「塁に出てホームにかえってくることが自分の仕事。そこはこだわりをもってやっています」。その言葉通り、チームトップの65得点を記録し、球団新人最多の01年・赤星にあと5。積み重ねていけば間違いなく、チームは勝利へ近づく。
3位・広島とは4ゲーム差。逆転CSへ向けて近本のさらなる躍動は欠かせない。まずは16日からの首位・巨人との3連戦。「いつも通りです」と宿敵を前にしても平常心を強調したルーキー。チームが勝つために、可能な限り、歴史の扉をこじ開けていく。
【近本が達成可能な新人記録】
◆65得点 球団最多となる2001年・赤星憲広70にあと5。セ・リーグ最多の1958年・長嶋茂雄(巨人)89にあと24。
◆124安打 徳網茂を抜いて、球団単独5位。同最多の16年・高山俊136にあと12。セ最多の58年・長嶋153にあと29。
◆15二塁打 球団最多の98年・坪井智哉26にあと11。セ最多の58年・長嶋34にあと19。
◆6三塁打=球団最多の53年・吉田義男&92年・久慈照嘉各8にあと2。セ最多の50年・福田勇一(国鉄)10にあと4。
◆9本塁打 2桁本塁打に到達すれば、球団では80年・岡田彰布18以来、39年ぶり5人目。
◆1試合2安打以上35度 球団最多の98年・坪井40にあと5。セ最多の58年・長嶋48にあと13。
◆1試合3安打以上11度 球団最多の48年・別当薫&16年・高山各13にあと2。プロ野球およびセ最多の58年・長嶋14にあと3。
◆23盗塁 球団最多の01年・赤星39にあと16。
(成績はすべて15日現在)
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