青柳 ツーシームでゴロ量産 7回1失点好投も9敗目
「阪神0-1中日」(28日、甲子園球場)
打球が左翼スタンドに着弾すると、阪神の青柳は右腕で1度だけ額を拭った。収穫と反省の105球。勝てなかった悔しさと最少失点で粘れた手応えが、青柳の胸に同居した。
ぼう然とマウンドで打球の行く末を見つめたのは0-0の六回だった。1死から阿部に左翼席へ先制ソロを浴びた。虎党のため息とともに、13日・中日戦からの連続イニング無失点が17回2/3でストップ。カウント2-2からのスライダーを完璧に捉えられ「いいところに決まったと思ったけど、結果ホームランなので。別の選択肢もあったのかな」と唇をかんだ。
自身2度目のスライド登板となり、三回まで毎回先頭打者を許す苦しい展開。それでも序盤は走者を背負っても、粘りの投球で試合を作った。初回は先頭の大島に左前打を許すも、続く京田をチェンジアップで二ゴロ併殺。二回も1死一、二塁のピンチをゼロに封じた。
奪ったアウトの大半は、右腕の真骨頂であるゴロアウト。「ゲッツーを取ってもらったり、野手が守ってくれて最少失点でいけた」とバックに感謝しつつも、最少失点で踏ん張れた要因は右打者へのツーシームだ。
初回2死一塁から同球種でビシエドを空振り三振。三回も1死一、二塁からビシエドを再びツーシームで三ゴロ併殺に料理した。前回の中日戦で7回0/3を無失点に抑えた際には、外角スライダーを有効活用していた。
「前回は外で抑えていたので、インコースを突いていかなきゃと。最高の結果だったと思います」と明かした右腕。“布石”を存分に生かした投球術で粘っただけに、あの一発が悔やまれる。
矢野監督も「青柳の成長の部分と、課題の部分とがね」と指摘した。ただ今季9敗目にも下を向いていられない。敗戦の中で得た手応えを次に生かす。
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