高橋遥“悔投”七回「力不足でも抑えないと」踏ん張ったけどリベンGならず
「阪神1-4巨人」(30日、甲子園球場)
右翼スタンドから「頑張れ」の合唱が響く。阪神・高橋遥はホームベース手前で膝に両手をついた。ぼう然とグラウンドに視線を落とし、髪をクシャクシャにして悔しがる。ベンチを飛び出した福原投手コーチは、肩を抱いて熱投をねぎらった。7回を9安打2失点。勝てなかった事実が悔しい。
「抑えてやるという気持ちでしたが、力不足だと思います。でも、力不足でも抑えないといけない場面でした」
1-1で迎えた七回だった。六回、2死一塁で巡った打席。矢野監督は代打を送らず、そのまま高橋遥を打席に立たせた。ベンチは続投に思いを込め、左腕も意気に感じて登ったマウンド。それでも、首位チームの打線は、容赦なく襲いかかってくる。1死から巨人・石川に右前打を浴びた。
犠打で得点圏に進まれると、坂本勇を申告敬遠で歩かせて一、二塁。丸を打席に迎える。フルカウントからの6球目。最後は148キロの直球勝負を挑んだ。気迫の一球を右前にはじき返され、勝ち越し点を失った。前回16日の対戦(東京ドーム)は7回2失点と好投。それでも岡本に2ランを浴びて敗れた。リベンジを誓って臨んだ一戦。援護に恵まれぬ中、またも一球に泣いた。
「1時間延びたからどうというのはないです。関係ない。初回から点を取られると、チームの士気が下がる。そこは反省しないといけないと思います」
大雨の影響で試合開始が1時間遅れた。不慣れな準備から初回に失点したが、巨人先発の高橋が4回で降板する中、7回111球の熱投。交代時にはスタンドから自然と拍手が起こった。「チームに申し訳ないですね」。信頼に応えられなかった6敗目に、試合後も自分に対する怒りが収まらない。悔しさを糧に、頑張れの声援を力に変え、雪辱を胸に秘めた。
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