小山正明氏がレジェンド虎投バッキー氏悼む…思い出す入団テストでの姿
虎のレジェンド助っ人が、生まれ故郷ルイジアナで静かに旅立った。元阪神投手のジーン・バッキー氏が米国時間14日(日本時間15日未明)に死去した。82歳だった。現役通算320勝のレジェンドで、デイリースポーツ評論家の小山正明氏(85)が、バッキー氏を悼んだ。
◇ ◇
バッキーが阪神の入団テストに来たときのことを、今でも覚えている。高校球児の練習着のような白いユニホームを着て、グラウンドに現れた。足元を見ると右足のスパイクのつま先が破れていた。金銭的に恵まれない環境で野球を続けてきたことは、それを見ただけで分かった。
190センチほどの長身で腕も長い。制球は不安定だったが、球が速かったことで球団も獲得したんだと思う。アメリカではムービングボールを低めに集める投球を徹底指導されたようだったが、それが制球の乱れにつながっているように見えた。あるとき私は「ジーン、君は速い球があるんやから、ムービングさせずにもっと速球を使ったらどうや。日本の打者には絶対に通用するから」と助言した。その後は速球を低めに集める投球になり、これは勝てる投手になりそうやなと思った。
私が知る外国人選手の中でも指折りのナイスガイ。明るい性格で、チームにも日本の生活にもすぐに溶け込んだ。遠征先の旅館では冷房もない大部屋で一緒に寝起きもした。
先日、バッキーを取材したデイリースポーツの記者が送ってくれた私への動画メッセージを見た。近々来日したいとも話していたそうで、本当に楽しみにしていた。私の行きつけの店で、一緒にお酒を飲みたかった。ご冥福をお祈りします。
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