近本快挙!長嶋の153安打に並んだ 快走!34盗塁でセ単独トップ浮上
「阪神3-2ヤクルト」(18日、甲子園球場)
ついにミスタープロ野球に並んだ。阪神・近本光司外野手(24)が球団の新人最多タイ13度目の猛打賞をマーク。今季153安打とし、長嶋茂雄(巨人)が1958年に樹立した新人最多安打のセ・リーグ記録に並んだ。七回には34盗塁目を決め、セ・リーグ単独トップに躍り出た。
4万1839人の大観衆が固唾(かたず)をのんで打席に立つ近本を見つめた。目の前に現れた偉大なる背中に追いつくために、懸命に走った。一塁内野安打。58年に長嶋茂雄(巨人)が打ち立てたセ・リーグ新人最多安打の153本に肩を並べた黄金ルーキーに、惜しみない拍手と歓声が送られた。
「初回に三遊間へヒットを打った時もいつもより歓声がすごいと思っていた。最後、内野安打を打った時は、これだけのファンの人が見てくれているんだなと感じた」
レジェンドの記録に王手をかけ、ざわめきの中で迎えた八回2死の第5打席。3番手・坂本が投じたフルカウントからの6球目、低めのスライダーに反応した。打球は一塁へのゴロ。最後まで諦めずに一塁を駆け抜け、内野安打とした。
初回の第1打席ではヤクルト先発・ブキャナンから左前打。七回にはヤクルト2番手・ハフから中前打をマークした。試合数こそ違うが、ルーキーイヤーで積み重ねてきた安打の数は同じ。「驚きというんですかね。まだ実感が湧いていないといえば、湧いていないですね。自分のしたことに」と率直な思いを口にした。
今や全国区となりつつある、近本の名前。外れの外れ1位でプロの門を叩いたが、関係ない。ここからが勝負だと心に決めた。「まだ僕を知らない人はたくさんいる。結果を残して、多くの人に『近本光司』を知ってもらえるようにしたい」。練習に没頭し、安打を積み重ねてきた。
打撃だけでなく、足でも魅了した。七回1死から二盗に成功。今季34盗塁目でセ・リーグ新人では歴代4位タイとした。この時点で、ヤクルト・山田哲を抜いてリーグ単独トップに躍り出た。
残り7試合。1安打でも放てば、ミスターを超える。「1日1本打とうと思っている。1打席目からしっかり塁に出て、走って、かえってきたい」。もちろん、本拠地で新たな歴史を作るつもり。全身全霊のプレーで、その名を球史に刻み込む。
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