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【尾形充弘元調教師のザ・戦評】ママコチャ能力発揮も物足りない短距離王決定戦

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 「スプリンターズS・G1」(1日、中山)

 秋のG1開幕を告げる電撃戦を制したのは、G1初挑戦の3番人気ママコチャだった。G1・3勝馬ソダシの全妹が、短距離路線に転向して2戦目で新スプリント女王の座に就いた。好位から鮮やかに抜け出すと、内から猛追してきた6番人気のマッドクールとの大接戦を鼻差制した。3着には1番人気のナムラクレアが続いた。

  ◇  ◇

 勝ったママコチャはうまく流れに乗って競馬ができましたね。好位でスムーズにレースを運び、4角では逃げたジャスパークローネに並び掛けて、最後はマッドクールに競り勝ちました。この馬の力を出し切りました。川田君はうまく乗ったと思います。

 2着マッドクールは最後、首の上げ下げで鼻差2着。4角手前で手応えではあまり良くありませんでしたが、最後までしっかり伸びました。力をつけています。3着ナムラクレアはスタートがあまり良くなかったですが、道中は上位2頭と同じような位置でレースを進め、競馬の形としては悪くなかったと思います。ただ、G1だと勝ち切れないところがありますね。

 本命にしたアグリは7着。私は1分7秒台の決着になると予想しましたが、結果は1分8秒0で、前半3Fは33秒3と、G1としては決して速くないペースです。展開によるところもありますが、前走のような32秒台の脚は使えませんでした。

 今年のスプリンターズSは1分8秒0の決着となり、レースラップも前半3Fは33秒3で後半3Fは34秒7と、優秀な数字とは言えません。短距離王決定戦としては物足りなさを感じました。(元JRA調教師)

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