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【尾形充弘元調教師のザ・戦評】ドゥレッツァが大外からV 判断光ったルメールの大胆騎乗

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 「菊花賞・G1」(22日、京都)

 4番人気のドゥレッツァが未勝利戦から破竹の5連勝でG1初制覇。強力ライバルのさらに上を行く、圧巻のパフォーマンスでねじ伏せた。手綱さばきが光ったルメールは16年サトノダイヤモンド、18年フィエールマンに続く菊花賞3勝目。2着には2番人気のダービー馬タスティエーラ、3着には1番人気の皐月賞馬ソールオリエンスが続いた。

  ◇  ◇

 破竹の5連勝で菊花賞を制覇。勝ったドゥレッツァは、お見事としか言いようがないですね。馬の強さはもちろんですが、厳しいと思われた大外枠から勝利へ導いたルメール騎手は、本当にうまいと思いました。

 スタートして出して行って、腹をくくって位置を取りに行きましたよね。ペースが落ち着いた段階でドンと構えて、外から他馬が動いてきても慌てなかった。いったん下げて、再び仕掛ける大胆な競馬で2着に3馬身半差。なかなかできない芸当です。

 長距離は“馬7・人3”と言われますが、きょうの競馬は“馬5・人5”でしたね。このレースの流れを自分でつくったルメール騎手の手綱さばきは素晴らしかった。また、ドゥレッツァもパドックの気配を見て馬が良くなっているのを感じました。長距離適性を示して、非常に強い競馬をしましたね。タイトルホルダーと同様に、この馬もドゥラメンテの代表産駒になるでしょう。

 2着のダービー馬タスティエーラ、3着の皐月賞馬ソールオリエンスも、適距離とは言い難い3000メートルで十分に力を発揮したと思います。ともに今後、2000~2400メートルで競馬をすれば日本を代表する馬になれると思います。そして、私が注目していたサトノグランツは、勝負どころで川田君が馬を鼓舞しても反応しませんでした。明確な敗因はつかめませんが、こんな馬ではないと思うので、次の巻き返しに期待します。

 23年の菊花賞は関東馬によるワンツースリーでした。レースが終わった後に、「良かった、良かった」とうれしさがこみ上げました。これからも東西が切磋琢磨して、競馬を盛り上げてほしいですね。(元JRA調教師)

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