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【尾形充弘元調教師のザ・戦評】勝負になる位置取りでV呼び込んだルメール

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 「エリザベス女王杯・G1」(12日、京都)

 G1初挑戦ながら1番人気を集めたブレイディヴェーグが、イクイノックスに並ぶ最少キャリア5戦で古馬G1制覇。堂々と牝馬の頂点に立った。ルメールは今秋JRA・G1・3連勝。2着は5番人気のルージュエヴァイユ、3着は3番人気のハーパー。連覇を狙った昨年の女王ジェラルディーナは5着に敗れた。

  ◇  ◇

 3歳馬ブレイディヴェーグがG1初勝利を飾りました。スタートの1歩目は上に出るような感じで、決してうまく出たわけではありません。しかし、そこから無理に抑え込まずに5、6番手のいい位置につけたのが見事でした。

 これは常に言っていることですが、いい乗り役は必ず勝負になる位置にいます。勝つか負けるかは別にして、これが競馬の大原則。京都のコース特性を使ってうまく外へ持ち出す進路取りも含めて、きょうはルメール騎手が素晴らしい騎乗をしましたね。

 2着ルージュエヴァイユは、道中で勝ち馬のマークに徹したのがファインプレーでしたね。好枠を生かすために、松山騎手が最高の騎乗をしました。ハーパーは川田騎手が上手に乗っての3着。馬に安定感はあるのですが、どうしても決め手を欠きますね。

 5着ジェラルディーナがスタートが全て。うまくスタートしていれば、勝ち馬を脅かすシーンもあったでしょう。ただ、去年と違う競馬場でも力を見せ、前年覇者の面目は保てました。最後に7着のディヴィーナ。調教師の指示かどうかは分かりませんが、この馬はもう少し積極的に乗るべきだったと思います。最高の競馬をして駄目なら仕方ない。そういう意味で、きょうの騎乗は残念でしたね。(元JRA調教師)

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